師走も半ばの先週末、「スターウォーズ/最後のジェダイ(邦題)」が公開された。週明けのボックスオフィス情報では、同シリーズ「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が2015年に出した記録、約2億4800万ドルに次ぐ歴代2位の約2億3千万ドルを稼ぎ出した。 1970年代から続く同作は、話題性と安定した集客数を兼ね備えている。その上、エピソード7である「フォースの覚醒」からディズニーの制作となり、さらにパワーアップしたメガシリーズ。公開を待ち望んだコアなファンが、キャラクターグッズに身を包み、映画館の周りに長蛇するのが恒例となっている。 明くる月曜のニュースでは、劇場公開週の興収に予想通りの結果が。3日間で制作費のほぼ3分の2をさらっと回収し、出だしは絶好調。 一方で、「最後のジェダイ」と同じ週にオープニングを迎え、体当たりを仕掛けたのは他に1作品あるのみ。3世代にわたる客層、性別を問わず楽しめる内容、子ども連れの家族まで顧客対象にできる「スターウォーズ」を前に、他のスタジオ映画は爆死を避けた形だ。 昨年12月27日、レイア・オーガナ役のキャリー・フィッシャーが心臓発作で亡くなった。続三部作の第2章にあたる「最後のジェダイ」の公開を翌年に控えた年の瀬だった。彼女の母親で女優のデビー・レイノルズが娘の死の翌日に死去したことでさらに注目を浴び、記憶に残るニュースとなった。彼女の死に哀悼の意を表し、今回の作品ではレイア姫のシーンを大幅に増やした。ポスターやトレーラーにも堂々としたレイア姫の姿が映る。今作品がファンとの最後の別れとなるのだろうか。 今日のハリウッドで活躍するフィルムメーカーに多大な影響を与えた「スターウォーズ」シリーズ。美術、特撮、テクノロジーの面などでも、映画史に足跡を残している。 そんな記録破りのシリーズ誕生に際し、ジョージ・ルーカスに最も影響を与えた作品が黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』だというのは有名な話。日本人にとってあまりに鼻高々なエピソードではないか。【麻生美重】
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