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Writer's pictureRafu Shimpo

月を射る

 明けましておめでとうございます。  陽が昇り、今日努力するだけの健康と気力があるだけでもありがたい。中近東では戦火が激しく、泣く泣く故郷を捨て、流浪の民となるたくさんの人々がいる。世界のどこかで、いつ、無差別テロが起き、尊い命が失われるかもしれない。その危険にさらされているのが、現状である。  オバマ大統領は大統領権限で銃規制強化の発案をした。凶器となる銃が身近にあるから平静を失った時、引き金を引いてしまう。弱さはわれわれ誰にもある。人間は状況が変われば、残忍な殺人者にもなれば、とろけるような天使にもなる。  だからこそ、弱い自分を守るために、凶器となりうるものを、私見ではあるが、身近に置いておかないことだ。怒りはおさまるが、いったん犯した罪を償うのは容易ではなく、再生はもっと難しい。  テクノロジーの発展でわれわれはいやおうなく人種、国の垣根をこえ、地球人として生きざるをえない時代だ。世界の紛争にしろ、地球温暖化にしろ、世界経済にしろ、全てが地球規模で対処しなければならない。地球人としての一人一人の自己責任が問われることを、年頭にあらためて自覚したい。  新年のビジネスミーティングでは、今年の抱負、目標を一年単位、月単位、一日単位で具体的に書かされる。行動に出て初めて熟慮した意味がある。自己啓発セミナーに出て、何か改善したようで気持ちよくなっても、3日もたず、何も変わらない。  どんなに小さな事でも昨日しなかったことを今日実行する。行動すれば、それが引き金となり、次の行動を自然に誘発できる。健康食を食べた、運動した、明るくあいさつした、読書量を増やした、世界情勢の新聞記事を理解しようと読んだ、成果をあげるよう集中して仕事をした。何でもいい。  「目標を定めて本気で挑戦すれば、たとえ月を射ることはできなくても、周りのたくさんの星は落とせる」とハッパをかけられた。  今年はいくつの星を落せるか、いやひょっとしたら月かもしれない。【萩野千鶴子】

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