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Writer's pictureRafu Shimpo

Brain Cancer

 拙稿の中で英語の「Brain Cancer」を「脳癌(がん)」と訳した。オンラインの英和辞書で一応チェックした、上でのことだが。  ところが、編集者から「日本語では脳癌とは言わずに脳腫瘍と言います」と赤点をつけられてしまった。  確かに、「胃癌」「肺癌」「乳癌」とは聞くが、「脳癌」とはあまり聞かない。口に出しても違和感がある。  NHK衛星テレビやオンライン、送られてくる雑誌の最新号で〈日本のことは何でも知っている〉といきがってきたつもりだが、24時間日本語が飛び交っているわが同胞の住む社会から四半世紀離れていると、こういうことはしばしばある。  で、「脳癌」のことだが、留学後アメリカに居残った日本人の医学博士が素人にも分かりやすくこう説明してくれた。  「脳癌といっても通用はするんでしょうが、専門的にいえば、癌は上皮組織に発生する悪性の腫瘍(しゅよう)のこと。脳の組織は上皮組織ではないので、正確にいうと、肉腫というのが正解ですね」  そもそも「腫瘍」とはなにか。漢字の「腫」も「瘍」も義務教育では学ばない。馴染みがなく、意味の類推が難しい。くだんの医学博士氏は補足説明してくれた。  「腫は『はれる』。瘍は『できもの』のこと。腫瘍は『はれたできもの』ということ。つまり細胞が異常に増えて塊りになったものを腫瘍といいます。これには良性のものと悪性のものとがある。悪性腫瘍のことを癌ともいう。悪性のものは周囲を壊しながら広がったり、離れたところに飛び移る。治療が必要なのはこの悪性腫瘍(Malignancy)なんです」  「腫瘍と癌とは同じものだ」と答えたものは22・6%、「良性の腫瘍でもやがて癌になる」と答えたものは20・5%。つまり5人に1人は過度な不安につながる誤解をしているという世論調査結果もある。  編集者の指摘のおかげで「Brain Camcer」についていくらか勉強させてもらった。既にこの程度のことはご存知の諸兄姉から〈何をいまさら〉と笑われるかもしないが…。【高濱 賛】  11月29日付本コラムの「安美錦の金星4つ」は「8つ」の誤りでした。

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