Sky Ranch:日本のおもてなし提供
スイス人アーティストの手作りシャレー。室内外至るところに伝統的なヨーロッパアートをみることができる
「日本のおもてなしを心がけています」と話すオーナーの清恵・クラインさん
ロサンゼルスからわずか2時間で大自然に囲まれた別世界を体感できるビッグベア。夏は避暑地として、また冬はスキーリゾート地として人気のこの地で、「きめ細かな心遣い」を提供するB&B(朝食付き貸キャビン)がある。神奈川県川崎市出身の清恵・クラインさんが経営する「Sky Ranch」。100フィートにもなる樹齢3千年以上の松の木が育つ森林に囲まれたキャビンで、世界中から訪れる観光客に日本のおもてなしを提供している。 【取材・写真=中村良子】
ビッグベア・ダウンタウンから8マイル東の静かな自然の中に位置する「Sky Ranch」。5エーカーという広大な土地で、シャレー(最大10人収容)とキャビン(最大4人収容)の2棟を切り盛りするのが、笑顔の絶えない清恵・クラインさん。その明るい性格ときめ細やかなおもてなしに、利用客の多くが瞬時に友だちになってしまうほど。地元カリフォルニアはもちろん、他州やヨーロッパ、アジアなどからのリピーターが増えている。
伝統的なヨーロッパアート
シャレーは、前オーナーのスイス人アーティスト一家の手作りで、室内外の至るところにその繊細で伝統的なヨーロッパアートの卓越した技術をみることができる。そんな背景から、利用客に芸術家や作家、映画関係者も多く、大きな窓ガラスの向こうに森林を眺められるシャレーの書斎で作品づくりに没頭する人も多いという。
映画の撮影によく使われるキャビン。屋根裏部屋もある
ゴールドラッシュ時代の金鉱からホームステッド(自営農地法)されたキャビンは、1870年代のたたずまいを残し、映画の撮影によく使われる。2人がゆったりと寝られるスペースある屋根裏部屋もある。
人里離れたキャビンから一番近い近所の建物は、約100ヤード離れたオーナーの清恵さんが住む母屋で、聞こえてくるのは鳥のさえずりや風になびく草木の音だけ。都会の雑音から離れ、マイナスイオンたっぷりの森林に囲まれ、静かな時を過ごしたい人にオススメだ。
先住民の生活跡地
先住民セラノ部族が松やにを採取していた跡
シャレー横には湧き水が出ており、毎年ポプラやショウブが花を咲かせる。春になると、周辺にはチューリップやスイセン、アイリス、ライラックなどが咲き、訪れる人の目を癒してくれる。 シャレーとキャビンの間の森林には、カリフォルニア州の先住民、セラノ部族が約3千年前に住んでいた跡地(バーンアウト)を見ることができる。当時彼らは、松やにをファーストエイドや接着剤、キャンドルとして利用したそうだ。 また裏庭からサンバナディーノ国立森林公園のトレイルに出てハイキングを楽しむこともでき、高さ100フィートを超える松の大木は圧巻。年間を通じて水が溜まるのは数日というアーウィン湖の周りを朝焼けや夕焼け時に散策するのを楽しみにしている利用客も多い。 また、毎年春から夏にかけてバックパックハイカーがメキシコからカナダまで歩いて渡ることで有名なパシフィック・クレスト・トレイルは、シャレーから約2マイルの距離にあり、本格的なハイキングを楽しむこともできる。 産みたて卵のサービスも チェックイン後には、清恵さんの手作りクッキーでウエルカム。もし滞在中にタイミングが合えば、Sky Ranchで飼われているニワトリの産みたて卵の差し入れもあるかもしれない。 オープンして3年目を迎え、リピーターも増えてきたと話す清恵さん。利用者の「楽しかった。また来ます」の言葉に幸せを感じる日々だといい、「都会の雑音から離れ、マイナスイオンを全身に感じ、静かでゆったりとした時を過ごしたい人には最適」と、利用を呼びかけている。 料金は、シャレーが2人利用で平日は1泊109ドルから、週末は159ドルから。キャビンが2人利用で平日は99ドルから、週末は149ドルから。それぞれ、利用者が増えるごとに1人30ドル増し。ペットは犬のみOKで、1匹30ドル。この他、清掃代として別途60ドルかかる。 予約方法は、Airbnbのホームページのカレンダーでチェックし、空きがあった場合は、直接清恵さんにメールか、電話で申し込みをする。予約の際に「羅府新報を見た」と申し出れば、5%の割り引きになる。 シャレーのアドレスは― www.airbnb.com/rooms/403484 キャビンのアドレスは― www.airbnb.com/rooms/817178 清恵さんのメールは― kiyoec@gmail.com 電話番号は― 951・217・6455。
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