top of page
Writer's pictureRafu Shimpo

お祭りの役割りとは

 桜の季節です。今年の桜は3月下旬の冷え込みで遅れ気味、ここ川崎・宮崎台では4月2日が「さくら祭り」でした。近くの公園はぞろぞろと家族連れが切れ目なく続き、中をのぞくと、いつもは少年野球チームの元気な声が飛び交うグラウンドは祭り客が埋め尽くし、周りにはたくさんのテントが立ち、さまざまな屋台がおいしそうな匂いを立てています。  駅前のさくら坂はまだ5分咲き、満開になれば華やかな桜のトンネルになります。通りは笑顔の人、人、人で埋まり、幾つものゆるキャラ着ぐるみに子供連れが群がっています。消防自動車や警察も協力し、道路脇の白バイにはハンサムな制服姿のお巡りさんが次々に子供を乗せては記念撮影。  この日は一帯が歩行者天国、バスターミナルには幾つかのテントが並び、駅前広場には仮設ステージ。子供のキレの良いダンスや太鼓グループの演奏、フラダンスなどが次々とステージに上がり日頃の練習の成果に拍手を受けます。ターミナルの一角では地元中学のブラスバンド演奏が始まり、父兄はカメラやビデオ撮影に大忙しです。幼児たちの遊び場の小さな公園はお母さんたちのバザーやヨガ体操で賑わっていました。  友人からメールが届きました。「以前は各地区に奇特な有志がいて富山も昔は地区のお祭りが賑わっていたが、今は市が主催する行事だけ、春祭りは富山市主催の『全国ちんどんコンクール』のみです。これも演舞者はすべて県外、観光客も40パーセント余りが県外、残りが地方の人で地元密着からほど遠く寂しい限りです。ちんどんコンクール発足当初は私たち町内からモニュメントを知恵を絞って作り、仮装して50数人が10年間余り出場して競い入賞した経験もあります」  お祭りは地元の人たちが集まって絆を確かめ合い、人と人とのつながりを強めるもの。祭りの時期が来るたびに、昔元気で参加した自分を思い出す。近年、町興しとかで市が積極的に乗り出し、イベントは大きくなるが地元は単なる見物客、地域の絆が失われてゆくのは残念です。ここ宮崎台の桜祭りはまだ地元手作りの素朴なもの、本来のお祭りが続いてくれることを願っています。【若尾龍彦】

0 views0 comments

Recent Posts

See All

熱海のMOA美術館に感動

この4月、日本を旅行中に東京から新幹線で45分の静岡県熱海で温泉に浸かり、翌日、山の上の美術館で北斎・広重展を開催中と聞き、これはぜひと訪れてこの美術館の素晴らしさに驚き魅せられた。その名はMOA美術館(以下モア)。日本でも欧米でもたくさんの美術館を見たがこれは...

アメリカ人の英国好き

ヘンリー王子とメーガン・マークルさんの結婚式が華やかに執り行われた。米メディアも大々的に報道した。  花嫁がアメリカ人であるということもあってのことだが、それにしてもアメリカ人の英王室に対する関心は異常としか言いようがない。 ...

野鳥の声に…

目覚める前のおぼろな意識の中で、鳥の鳴き声が聞こえた。聞き覚えがない心地よい響きに、そのまま床の中でしばらく聴き入っていた。そうだ…Audubonの掛け時計を鳴かせよう…  Audubonは、全米オーデュボン協会(1905年設立)のことで、鳥類の保護を主目的とする自然保護...

Comments


bottom of page