けがからの復活を期す由美さん:目指すは「アイアンマン」
スタートを前にドジャー球場でポーズをとる由美さん
4度目のロサンゼルスマラソンに臨むトーレンス在住の由美・六川・イェガーさんは昨年、トレーニング中の事故で負ったけがからの復活を期し、レースでは完走を目標とする。長距離ランと水泳、自転車を組み合わせたトライアスロンにも熱を入れており、10月に挑むフルトライアスロンで「アイアンマン」を目指す。【永田 潤】
ランニングは、15年ほど前に友人に誘われ「何となく始めた」。中学、高校時代は運動経験はなかったものの、かつてはスキューバダイビングのインストラクターをするなど「体を動かすのが好きだったので、走れると分かり頑張るようになった」と語る。
昨年のLAマラソンに参加し、ゴール付近のサンタモニカの海岸沿いを走る由美さん
「走り始めた頃は、5分くらいしか持たなかった。でも、持久力があるので『ゆっくり長く』」を心がけて、徐々に距離を伸ばした。最初のレースは、5キロからスタートし、10キロ、ハーフ、フルマラソン、トライアスロン(距離の短いスプリント)へとステップアップ。次々に完走を果たし自信をつけ「成功したので、トライアスロンをやりたくなった」と、鉄人への道を切り開く。 水泳、バイク、ランの各種目で、クラブに属している。独学トレーニングでは「めげることがあり、1人ではダメだ」と限界を感じた。一方のグループ練習は「互いに励まし合うのでパワーが増す。自分より年上の人も頑張っているので、負けてはいけない気持ちになる」と刺激を受けている。精神面のみならず、専門的な知識や情報を得られるのもグループ練習の利点だという。 週末は、ランニングが午前4時、水泳は5時に開始し、日の出を拝みながら練習に励む。早朝の起床はつらく、単独だと怠けて二度寝することもあったが「みんなが待っているので『頑張ろう』という、やる気が湧いてくる。同じ目的を持った仲間と、目標に向かって進むのはすばらしい」と力を込める。 日焼けによる、しみや肌の荒れを恐れて、ランニングから長く遠ざかったことがあった。そんな中、ランニング仲間が次々にトライアスロンに挑戦し完走する、たくましい姿に「血が騒いだ」と復帰を決意。年齢は50を超えていたが「年をとってからでは遅く、後悔はしたくない。還暦までに、フルトライアスロンに挑戦する」と、自らを鼓舞した。8年間のブランクを経て再開したランニングは「やっぱり楽しかった」。日焼け防止は、炎天下でも長袖、ロングパンツを着用する入念さだ。 スポーツウーマンらしく、食事に気を配り、減酒にも務め「好きなビールを止めて1年になる。運動がきっかけで、お酒を止めることができ、体の調子がよくなった」と喜ぶ。ただ、楽しさのあまりに、われを忘れオーバーワークによるスポーツ障害に気をつけ「やり過ぎないように」と言い聞かせている。 走る楽しさは、終わった後の「達成感」に尽きる。「練習はおもしろく、1日を爽やかに始めることができる」が、逆に「エクササイズをしない日は、気持ちが悪い」。夜型だった生活は、走り出して一転、朝型に戻った上に、生活にリズムが生まれ、16年のキャリアを持ち、サウスベイエリアで活動する不動産の業務にもいい影響をもたらすという。
「ゴールに向けて頑張る」 応援を追い風に力走誓う LAマラソン 由美さんは昨年、トライアスロンのバイクの練習中に転倒し、頭を強打した。その後、立て続けに遭った自動車事故で、後方から追
所属する米国人バイクチームの仲間たちと記念撮影
突され首をねん挫。今もなお、頭痛の後遺症に悩まされ、最近は思うような練習ができず、もどかしさを感じている。 14日に催されるロサンゼルスマラソンは、練習不足は否めない。そのため、目標タイムを定めず「ゴールに向けて頑張って走る」と意気込む。5月のベンチュラマラソンでは、タイムを意識し「ベストの4時間35分くらいで走ることができればいい」と話し、10月のフルトライアスロンに向け、LAで完走して次へ弾みをつけたいところだ。 LAには2年連続で参加する。昨年は数年ぶりに出場し、以前と大きく変わったコースを新鮮な気持ちで走った。かつてはダウンタウンが発着点だったが「ドジャー球場から始まり、最後のサンタモニカの海岸沿いまで、観光名所を通るので楽しい」と、スタートを待ちわびる。 ロサンゼルスマラソンは、大会公式のスタッフやボランティアが「水やオレンジ、バナナを配ってくれ、優しくしてくれる。一般の見物人も多くて心強い」と語り、応援を追い風に力走を誓う。
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