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Writer's pictureRafu Shimpo

すべて宇宙の一コマ

 暑さ寒さも彼岸まで? 狂った暑さはいつまで続くのか。旧暦だとまだ8月なので、残暑と考えたら辻褄は合う。それにしても、この暑さは疲れる。  9月27日は、満月でもスーパームーンと呼ばれ、月の軌道が一番地球の近くにあって赤く大きく見えるとあって、多くの人が見たことだろう。  古くから、人の生死は月に関係があると考えられていた。陣痛が始まると満潮が何時か調べて、まだ大丈夫だとか、もうすぐだとか言ったものだ。病院や医者の都合で生まれる日時が決まる今、何を言っているのかと思われるだろう。満ち潮に生まれ、引き潮に息を引き取ると教わったものだ。  潮の満ち引きは月と関係していて、月を見ては、命をゆだねるような気にさえなったものだ。  火星に水の流れた跡が確認されたとか、スプーンのようなものや、カニのようなものの写真など、火星情報でにぎわっている。個人的には、想像してわくわくしていることの方がいい。科学技術の進化は未知のものを切り拓いて、解き明かす。解き明かされた事実は、夢に描いていたことと大抵違う。  週末に、リトル東京でジャパンフェアが開催された。昨年は寒さの中のイベントだったが、今年は一変して酷暑だった。暑さの中、来られたアメリカ人は「ママ(アメリカ人)はいつもNHKを見ている。日本は美しい!」と日本文化に触れる機会を楽しみにしていると話していた。  リトル東京を訪問する人は多い。独自に情報を得て、印刷物を出して、これはどこにある? このサインは? 歴史がわかるものがあるか? などと尋ねてくる。残念ながら、そういう日本人に会うのはまれだ。  今ある日系の文化遺産、歴史を残す施設・建物に関心を持つ日本人はどれくらいいるのだろうかと思ってしまう。  宇宙の営みは、解明されていないことが多いから、想像力たくましく未知との遭遇を夢見る。現実の生活は、先人や移民の歴史を知らなくても成り立つ。それでも、少しは、関心を持ってほしいものと思う。  むかし、窓から月が見えると、見られていると思ったものだ。月のうさぎを思い、命あるものととらえていたのは自分だけか。【大石克子】

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