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Writer's pictureRafu Shimpo

ため息をつく

 毎日の生活の中で、当たり前の常識だと思っていたことが実はそうでなく、非常識だったりすることがある。行きつけの日系のレンタルDVD店で借りた日本のテレビ番組に「ソレダメ、あなたの常識は非常識!?」というタイトルを見つけ、興味をひかれたので借りてみた。常識だと思っていたことが、時には理にそぐわなかったり、非科学的であったりし、意外とあてにならないものもあるということを教えてくれる番組で、その中に「ため息はどんどんつくべし」というのが面白かった。  人生楽しいことばかりでなく、やりきれない程つらいことや切ないことが続き、思わず出てしまうのが『ため息』だ。私も時々思わずため息をかみ殺しているのに気付く。でも私たちは他人さまの前では、恥ずかしい、自分の弱みを出したくない、幸せが逃げてしまいそうなど、ため息は悪いことだととらえ、極力我慢するのが常識だと心得がちだ。今回、この番組では、この常識は間違いだと指摘していた。(東京都市大学、早坂信哉教授による)。「ため息を我慢することはよくないことで、ため息はどんどんついていただきたい」というのだ。  ため息はどんどんついたほうが良いとは、一体どういうことなのか。早坂教授によると、意識的にため息をすることによりストレス緩和、やる気の持続といったことにつながるのだそうだ。そもそもため息が出る時は、からだは強いストレスを感じている状態なので、大きくため息をつくことで呼吸が深くなり、からだの緊張は自然とほぐれてくるのだそうで、そんなからだの防御本能であるため息を無理に止めようとすると、余計にからだを苦しめてしまうことになるという。  一回ため息をつくと、ひとつ年をとるとよくいわれ、私はつかないようやせ我慢をしていたが、ため息をつくことで、明日への活力へつながるのだったら、積極的についても良いようだ。日常生活を送るにあたって欠かせない礼儀やマナーなどは人間として最低限守らなければならない常識だが、ため息なら他人さまを不快な気分にさせない範囲で一人になってから思い切りつこうと思っているところだ。【河合将介】

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