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Writer's pictureRafu Shimpo

みだしなみ

 文化の違いはここからか、と日本での体験で思った。3~4歳の子供が出かけるとき、日本では小さいおもちゃ、ティッシュ、ハンカチ、おやつなどをリュックとか、肩掛けバッグに入れて子供自身が持ち歩く。こちらに住んでいる子供は違うと聞いた。確かに、日本でかわいいリュックを背負っている子供たちを見かけた。日本に帰る子供なら、日本の習慣を身に付けさせておいた方がいい。ギフトを探しているのなら、そういうものがいいと思う、と知人からアドバイスを受けた。  その知人は、夫の転勤で来たLAで子供を産み、ロンドンを経て帰国し、日本の学校に通わせている。外国での経験と、日本での生活から違いを感じ取ったのだろう。  戻ったLAで、気を付けて見ていたら、確かにリュックやバッグを持った子供を見る機会が格段に少ない。子供のうちから自分の持ち物に気を配り、持ってきたもので遊んだり、汚さないように気を付け、また片付けてバッグにしまうことを身に付けていく。なるほど、と感心。  平気で食べかすや紙袋を道端に捨てていく人たち。汚れているから捨てるのか、捨てるから汚れるのか、と思いながら、その光景に目が慣れていっている自分に気付かされた。  どこにでもペーパータオルやナプキンがあるのは便利だ。自分のものではないから無駄に使い過ぎるきらいがある。ハンカチで口や手を拭い、後で洗濯する。どちらが、資源節約、環境に優しいかはわからないが、自分で持ち歩く行為は、使い方・後始末まで考えることにつながる。「身だしなみ」ということばがあって、それを身に付けさせるしつけがあった。  公衆の場では、大きな声を出さない、走り回らない、遊んだ後の片付け、おやつを食べるときは食べ散らかさない、などなど…子どものときから他人に不快な思いをさせないようにしつけた。それが礼儀正しい日本人を作ってきたのだと再認識した。  若い母親たちが、無意識にか子育ての伝統か、身だしなみをしつけようと考えているその姿勢に、ここでの日常は、その意識を薄れさせていると反省した。日本はまだまだ、すばらしい!【大石克子】

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