よき古さと新しい良さ
日系コミュニティー伝統の祭典、第75回二世週祭は小東京を熱気に包んだまま、いくつかのイベントを残してひとまず閉幕。長い日系人の歩みを尊重し、若い世代のアイディアを採り入れながら、温故知新の気概でこれからも継続発展していってほしい。 ひるがえって人間は、50、60を過ぎた頃から、体のあちこちに不調が現れる。それと同様に、家屋も古くなれば傷みが生じて修理、改装が必要になる。中でも、ホームオーナーがいちばん頭を悩ますのが、キッチンのリモデルだという。 キッチンは、ある意味でリビングルーム以上に家庭の心臓部。特に、オープンキッチン・スタイルは家族や来客にとってコミュニケーションをとりやすく、快適に過ごす空間を演出するともいわれる。リモデルにより使い勝手が良くなるばかりでなく、家の価値も高まる。 ただ、気になるのは費用とコントラクター(請け負い業者)の選択だ。改装に使う材質、例えばカウンタートップひとつをとってみても、御影石を使うか、石英(水晶)か、タイルか、合成樹脂かでも大きく違ってくる。キャビネットもしかり。冷蔵庫などの家電製品もしかり。上を見ればキリがないが、平均で3〜4万ドルはかかるという(オウル・コンストラクション調べ)。 費用よりもさらに難題なのは業者選びだと思う。リモデリングは、水道、電気、壁、床、内装、塗装など、あらゆる分野の作業が関連してくる。これらすべてを管理して、3Dデザインを用いて丁寧に説明してくれ、完璧に仕事を進める信頼のおける業者を選ぶのは至難のワザといえる。 たいていの人は、こうした知識がないのが普通だから、そこに悪質業者の入り込むスキもありそうだ。手付金や材料費の前渡し金を受け取ったまま仕事に来なかったり、連絡が取れなくなったという話も聞く。 「継続は力なり」を実証している二世週祭と同様に、改装プロジェクトだけでなく、一つの計画を成就させるためには、準備と調査、各方面への気配りも大切になってくる。【石原 嵩】
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