オロビルダム:決壊の危機、19万人が避難
放水路が一部損壊し、決壊の危険性が伝えられたオロビルダム
サクラメントから北方およそ75マイルにあるオロビルダムで12日、大雨の影響で水位が上昇し、放水路が一部損壊。決壊の危険性があるとして、北カリフォルニアのユバ郡やビュート郡の住民およそ18万8千人に避難命令が出された。13日には加州のジェリー・ブラウン知事が非常事態を宣言した。【吉田純子】
5年におよぶ干ばつに直面していた加州だったが、今冬、北加では大量の降雨に見舞われていた。 大雨によりダムの水位が急上昇したため放水をしていたが、放水路の一部が損壊しているのが見つかった。そのためダムが決壊し、周辺に大量の水がなだれ込む危険性があるとして、避難命令が発令された。 オロビルダムはせきの高さが770フィート(約230メートル)あり、全米一高いダムとして知られている。 カリフォルニア水資源局によると、オロビルダムにはダムの水が湖から溢れ出るのを防ぐため、緊急用も含め2つの放水路が設置されている。現在はその両方に問題が生じている。 先週まずそのひとつが損壊し、放水路の下部に巨大な穴ができているのが見つかった。穴は長さおよそ250フィート、幅170フィート、深さは40〜50フィートあり、現時点で修復はできていない。 緊急用放水路は水位が901フィートに達した時のみ使用されるが、今回は1968年にダムが建設されて以来、初めて緊急用放水路が使用された。 12日には住民が一斉に避難を開始したため、道路は渋滞し、ガソリンスタンドは混雑しているという。これまでのところ住民はシェルターなどに避難しているという。 加州消防局によるとビュート郡ではおよそ3万5千人、ユバ郡は6万5千人、サッター郡ユバシティーは7万6千人、マリースビルシティーは1万2千人が避難している。
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