カリフォルニア州山火事:トランプ大統領、大規模災害宣言を発令
北カリフォルニア各地で発生している大規模な山火事で、11日までに住宅など建物およそ3500棟が全焼し、死者は少なくとも21人に上ったことが分かった。これまでの焼失面積はおよそ16万エーカー。被害拡大を受け、トランプ大統領は10日、大規模災害宣言を発令した。【吉田純子】
山火事は8日午後からナパ郡、ソノマ郡、メンドシーノ郡、ユバ郡の各地で発生し、11日までに各郡の22カ所で発生しているのが確認された。加州政府によると現在までのところ加州のこれまでの山火事のなかで、5番目に被害が大きな山火事となった。 極度の乾燥と風速50マイルの強風、さらに山火事が発生した時刻が夜だったこともあり、就寝中の人の避難が遅れたことなども被害拡大の原因になったとされている。 カリフォルニア州消防局によると、焼失面積はおよそ16万エーカー。少なくとも建物3500棟が全焼し、11日までに21人の死亡が確認された。 もっとも被害が大きいのはサンフランシスコから北西およそ50マイルに位置するソノマ郡で11人が死亡した。ナパ郡では同郡北部に住む100歳と98歳の夫婦2人が犠牲となった。 10日には周辺住民5万人以上に避難命令が出された。 現在、ソノマ郡だけで200人近くが行方不明となっているが、当局によると、停電の影響や、避難時の混乱で家族に安否の連絡をすることが困難な状況にいる人も多いため、連絡手段が改善すれば行方不明者数は減る見込みだという。 ナパ郡やソノマ郡はカリフォルニアワインの名産地としても知られ、ぶどう畑やワイナリーも被害に遭っている。 両郡の病院では、やけどなどで負傷した住民ら少なくとも185人が手当を受けている。 一方、南カリフォルニアのアナハイムヒルズ近郊で9日から続いている山火事は、気温の低下と海からの湿気により、11日朝には45%が鎮火した。 オレンジ郡消防局によると、焼失面積はおよそ8千エーカー。これまでに住宅や商業用建物など24棟が全焼し、負傷者が3人確認されているという。 今回の山火事でオレンジ市、タスティン市、アナハイム市の住民には避難命令が発令されたが、11日には解除された。 カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は9日、山火事が発生している北加と南加の地域を対象に非常事態を宣言。 トランプ大統領も10日、加州各地で発生している山火事を受け、大規模災害宣言を発令した。これにより、連邦政府機関も今後、復旧支援を行うことができる。
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