カリフォルニア州:一人用のトイレ、性別不問に
加州の行政機関やビジネスの建物内に設置されている一人用トイレをジェンダー・ニュートラルにする法案に署名したブラウン知事
カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は9月29日、加州の行政機関やビジネスの建物内に設置されている一人用トイレを、性別で区別せず、すべての性的アイデンティティーの人が利用できる「ジェンダー・ニュートラル(すべての性別用)」のトイレにする法案に署名した。【吉田純子、写真も】
同知事が法案に署名したことで加州では2017年3月1日までに、ビジネスや政府機関の建物の一人用トイレに、性別に関係なく利用できることを示す標識が表示される。
すべての性的アイデンティティーの人が利用できる「ジェンダー・ニュートラル」のトイレ標識
性別をめぐるトイレ論争はかねてから全米で争点となっていた。オバマ政権は今年5月、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの学生が、本人が望む性別のトイレを使用できるよう全米の公立学校に対し通達を出した。 加州ではブラウン知事が13年に署名したことにより、すでに公立学校で学生は自己が認識する性別のトイレを使用できるようになっている。 同法案を提出したフィル・ティン加州下院議員(民主・サンフランシスコ)は、「トイレの使用を性別で区別しない同法案は、公平さを示した全米でもっとも画期的な法案である」と話し、トランスジェンダーの子を持つ親にとっても朗報であると成立を喜んだ。 同法案は一人用トイレのみ対象となっているが、賛成派は複数の個室があるトイレでの適用も目指している。 一方、反対派の保守系非営利団体「SaveCalifornia.com」の代表ランディ・トマソン氏は「男性と同じトイレを利用することを心地よく思わない女性がどれだけいることか」と疑問を投げかけ、ブラウン知事に拒否権の発動を求めていた。
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