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Writer's pictureRafu Shimpo

カルフォルニア日本舞踊会:「三味線の芸」を開催

来米した三味線演奏家で本條流家元の本條秀太郎

本條秀太郎が来米 当地の日本舞踊家らと共演

 カルフォルニア日本舞踊会は9月29日、トーレンスにあるジェームス・アームストロング劇場で「三味線の芸」を開催した。三味線演奏家の本條流家元の本條秀太郎をはじめとする8人の演奏者が来米し、南加地区で活動する日本舞踊の坂東秀十美、坂東拡三也、中村成美ほか、日本民謡の佐藤松豊と共演、日本の伝統芸能を当地で披露した。【吉田純子、写真も】

 カルフォルニア日本舞踊会の理事は2016年に他界した故坂東三津拡師の弟子たちにより構成されている。本條がロサンゼルスで日本舞踊との融合を図る舞台を披露するのは今回が初めて。三津拡師は生前、本條の演奏で舞うことが夢だったという。今回、弟子2人(坂東秀十美、坂東拡三也)と中村成美によりその夢が実現した。  舞台は1部と2部に分けて行われ、1部では端唄をはじめ、現代に生まれた伝統的な三味線音楽の俚奏楽(りそうがく)を演奏したほか、日本舞踊の坂東拡三也、中村成美の2人が日本の四季を表す端唄メドレー「京の四季〜紅葉の橋」を披露。1部の最後には坂東秀十美が「うき世道成寺」を三味線の音色に合わせて踊った。振り付けは三津拡師が何年も前に振り付けたものだったという。

海外でも演奏活動をする本條秀英二(左)と本條秀慈郎による演奏

 2部では本條自身が作曲した曲のほか、日本各地の民謡や子守り唄、盆踊り、そして日本民謡の佐藤松豊とも共演した。本條自身が茨城県出身ということもあり、「盆の流し唄」では同県から流行った江戸時代のイタコ節の旋律を阿波踊りの中に取り入れた。  2部終盤には明治初期のハワイ入植者の労働歌「ホレホレ節」も演奏された。1960年代に本條が日本で録音したこともあったというホレホレ節は、もとは地元でも三味線で演奏されていたものだというが、自身がアレンジし波を感じさせるような音色を取り入れた。  それぞれの曲の演奏前には本條自ら曲について解説し、弟子が英語で訳すなど、観客にも分かりやすく三味線の世界観を伝えた。 計20曲が演奏され、最後を締めくくったのは「精霊様(しょうろうさま)」。本條ひとりが舞台に座り独唱した。舞台後、本條は「もっと三味線音楽を海外にも紹介し、本来の三味線を伝えていきたい」と力を込めた。  カルフォルニア日本舞踊会のメンバーは「今回はたくさんの人の思いがひとつになって叶った舞台。支えてくれたひとり一人に心から感謝したい」と思いを語った。

共演した(左から)中村成美、坂東拡三也、本條秀太郎、坂東秀十美と佐藤松豊


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