ガス漏出事故:SoCalGas社、LA郡と400万ドルで和解
メタンガス漏出事故をめぐり南カリフォルニア・ガス・カンパニーに対し抗議するポーターランチの住民
ロサンゼルス北部ポーターランチにある南カリフォルニア・ガス・カンパニー(SoCalGas Co)の天然ガス貯蔵施設で発生したメタンガス漏出事故をめぐり、ロサンゼルス郡が同社を刑事告発した件で13日、同社が400万ドルを支払うことで和解した。【吉田純子、写真も】
事故は昨年10月23日に発生し、4カ月近くにわたり天然ガス貯蔵施設からメタンガスが漏出した。今年2月18日に漏出停止が発表されるまで、およそ10万7千トンのメタンガスが大気中に放出され、米史上最大のメタンガス漏出事故となった。 LA郡のジャッキー・レイシー地方検事は今年2月2日、事故後、直ちにカリフォルニア州危機管理局など行政機関に事故の発生を報告しなかったとして同社を提訴。同社は刑事責任を問われていた。カマラ・ハリス加州司法長官も今回の事故に関し、同社の対応は加州法に違反するとして、訴訟に加わると発表していた。 今後の措置として同社にはメタンガス漏出を未然に防ぐため、施設内に赤外線によるメタンガス監視システムを導入することが命じられた。同システム設置費用にはおよそ120万ドルから150万ドルの費用がかかるとされている。 また施設内にあるすべての天然ガス貯蔵施設が適切に稼働しているかどうか24時間体制で監視するよう外部調査会社に依頼することなども命じられた。24時間体制のガス漏出監視システムの導入は今後3年間にわたって実施され、およそ225万ドルの経費がかかるとされる。 また今回の事件をめぐり、LA郡消防局の健康危機管理部門では事故後の調査に24万6千ドル以上の費用がかかったことから、同社にはさらに330万7500ドルの罰金が課せられる。 施設周辺の住民からは鼻血や頭痛、吐き気などの健康被害が相次いで報告され、およそ8千世帯がホテルなど転居先での避難生活を余儀なくされた。ガス漏出が停止した後も同郡公衆衛生局には多くの住民から腹痛やぜんそく症状などの健康被害が寄せられているという。 今回の漏出事故で大気中に放出されたメタンガスは50万台以上の車から排出される温室効果ガスに匹敵し、加州の温室効果ガスの削減目標に影響を与えるほどの事態となった。
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