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Writer's pictureRafu Shimpo

ガス漏出事故:オバマ大統領に調査委設置要請

ガス漏出事故の原因究明のためオバマ大統領に特別調査委の設置を要請したボクサー氏(LA市提供)

ガス漏出事故の原因究明のためオバマ大統領に特別調査委の設置を要請したボクサー氏(LA市提供)

 加州民主党のバーバラ・ボクサー、ダイアン・ファインスタイン両上院議員は23日、ロサンゼルス北部ポーターランチにある南カリフォルニア・ガス・カンパニー(SoCal Gas Co)のガス貯蔵施設から大量のメタンガスが漏出していた問題で、事故の原因究明と、施設が安全に運営を続けられる状態か調査するため特別調査委員会を設置するようオバマ大統領に要請した。【吉田純子、写真も】

 同日、ロサンゼルスを訪れたボクサー氏はLA市議会で、ガス漏出事故の原因究明に協力するようオバマ大統領に呼び掛けたと発表。特別調査委員会は事故が発生した施設とその周辺のポーターランチの住民が直面する問題の解決に向け取り組む。  オバマ大統領に宛てた要請書の中で、両上院議員は今回、漏出事故が起こった施設だけでなく、全米に400カ所近くある同様のガス地下貯蔵施設の付近に住む住民にとって、ガスの漏出は懸念事項であり、一日も早い原因究明が必須であると訴えた。  ガス漏出事故は昨年10月23日に発生し、2月18日にガスの漏出の停止が発表された。およそ4カ月近くにわたって続いていた漏出事故で約10万7千トンのメタンガスが大気中に放出され、米史上最大のメタンガス漏出量となった。  施設周辺の住民からは鼻血や頭痛などの健康被害が相次ぎ、多くの住民がホテルなどの転居先で避難生活を送った。ガス会社によると、今も2600世帯が避難生活を送っている。費用はガス会社が負担し、1日におよそ180万ドルをガス会社が負担しているという。  ガス井は塞がれ、ガス会社の住民への転居アシスタントは18日で打ち切られる予定となっていたが、先に転居先から自宅に戻った住民からは依然健康被害が相次いで報告されている。  ポーターランチの住民でNPO「Save Porter Ranch」の代表のひとり日比野恭子さんは、施設からもっとも近い住宅地に住む。今も転居先で避難生活を送っているが、ガス井が塞がれた今も自宅に戻ると1時間ほどで頭痛が起こるという。  こうした事態を受け、住民側は避難期間のさらなる延長を求めていた。22日には加州控訴裁判所が、LA郡公衆衛生局が住民宅で有害物質の検査を実施し結果が出るまで、少なくとも29日まで判事の判断を待つよう言い渡した。  一方ガス会社側は、住民の自宅内や施設周辺で行った検査で、メタンガスのほかガスの漏洩を感知できるよう付臭剤として添加するメルカプタンなどの物質は健康に害をもたらすレベルの量は検出されなかったとして安全性は証明されていると主張。転居アシスタントの延長に反対している。  LA郡公衆衛生局は環境保護局(EPA)とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者の協力のもと、25日から施設周辺の住民およそ100世帯を対象に自宅内の検査を開始した。

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