ガス漏出事故:LA市議会、転居対象エリアの拡大案承認
ガス施設の閉鎖を求めるポーターランチの住民たち
ロサンゼルス北部ポーターランチにある南カリフォルニア・ガス・カンパニー(SoCal Gas Co)のガス貯蔵施設から大量のメタンガスが漏出している問題で、ロサンゼルス市議会は26日、これまで同社が行っていた住民の転居先の提供など支援措置の対象エリアを拡大する提案を全会一致で承認した。【吉田純子、写真も】
これまで同社は施設から半径5マイル圏内の住民を対象に、転居を希望する場合には避難先としてホテルやアパートなどを手配し、仮設住宅として提供することが求められていた。
ほか空気清浄機の提供、学校への送迎などのサービスも実施。しかし、それ以外のエリアに住む住民には、個々の苦情や求めに応じて判断し対応してきた。
今回の決定により、転居希望者の対象エリアがポーターランチだけでなく、グラナダヒルズ、チャッツワース、ノースリッジまで範囲が拡大されることになる。
ポーターランチの住民250人が集結した公聴会で発言するイングランダーLA市議=23日撮影
同提案を提出したのはポーターランチを管轄する12区のミッチェル・イングランダーLA市議。これまでにもノースリッジの住民からも健康被害が報告されていた。 昨年10月23日の事故発生後、施設周辺住民3698世帯の転居が完了した。しかし今も2445世帯が転居希望を申請している状態だ。 南カリフォルニア大気環境管理局は23日、公聴会を開催し、同社に対し早急なガス漏出停止処置とガスが漏出している井戸の閉鎖を命令した。しかし同社は25日、現在も継続してガスの漏出をくい止める作業を実施しているが、完全に停止するまでには時間がかかるとの声明を発表。今も漏出は続いている。漏出しているのはメタンガスで、27日現在までの流出量は8万7千トンにのぼる。
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