グレンデール日本友好庭園で桜祭り:姉妹都市の東大阪市議ら植樹式
桜の植樹式を行う(左から)千葉総領事、東大阪市の樽本市議、グレンデール市のナジャリアン市議、東大阪市の小畑市議、グレンデール市のディヴァイン市議、同ガーパティアン市議
グレンデール市のブランド公園内にある「日本友好庭園( Japanese Friendship Garden )」で15日、桜祭りが行われた。同市と姉妹都市提携を結ぶ東大阪市の東大阪河内ライオンズクラブから桜の苗木が寄贈され、植樹式が行われたほか、書道や茶道、空手などのデモンストレーションもあり、参加者は日本庭園を満喫しながら日本文化に触れた。【吉田純子、写真】
同庭園は1974年にグレンデール市と姉妹都市提携を結ぶ東大阪市との友好関係を記念し開園。庭園内には茶室「松聲庵」がある。
同庭園と松聲庵は国土交通省の行う「海外日本庭園再生プロジェクト」モデル事業に選ばれ、今年1月に修復作業が完了し、リニューアルしたばかり。
茶室「松聲庵」をデザインした建築家の高瀬氏(左)と純子夫人
桜祭りは庭園の維持活動を行うNPO「Friends of Shoseian」と国際交流基金の共催で行われた。Friends of Shoseianの代表マイケル・べルザー氏によると日本から1級造園技能士ら11人の庭師が訪れ、グレンデール市の職員とともに修復作業を実施。わずか1週間で完成したという。
この日は松聲庵をデザインした建築家・高瀬隼彦氏の姿もあった。高瀬氏によると、当地の米国人にも日本文化を理解してもらえるよう、日本的なデザインを忠実に再現するよう心掛けたという。
べルザー氏によると、今後松聲庵も修復が行われる予定。「無料イベントなども開催されるので、ぜひたくさんの人に来てもらい日本文化を満喫してもらいたい」と意気込んだ。
祖母のベティ・キタシマさん(中央)、母のコリーン・ウチダ・テウニーさん(右端)とともに着物を試着した日系3世エラ・テウニーさん
イベントでは琴や太鼓演奏のほか、剣道や空手、茶道のデモンストレーション、盆栽や秋田犬のレスキュードッグの紹介、着物試着コーナーなどもあり、参加者は日本文化を思う存分楽しんだ。 参加者のひとり、ロサンゼルス在住の日系3世エラ・テウニーさんは祖母のベティ・キタシマさん、母のコリーン・ウチダ・テウニーさんとともに着物を試着。初めて着物を着たというエラさんは「日本庭園を着物で散策でき、まるで日本にいるみたい」と話していた。 日本から植樹式に参加した東大阪市の樽本丞史市議は5年前にもグレンデール市を訪問し同庭園を視察。当時は老朽化が進んでいたというが、今回は見事に生まれ変わり驚いた様子。この日は東大阪河内ライオンズクラブからグレンデール市に10万円(桜の苗木を含む)が寄付されたという。 同庭園から4マイルほどの距離にあるグレンデール・セントラル公園には、2013年に旧日本軍の韓国人従軍慰安婦を象徴する少女像が設置された。慰安婦像の設置後、東大阪市はすぐに抗議した。
見本を見ながら書道に挑戦する参加者
同市議は「グレンデール市が決めたことなので撤去はむずかしいと考える。それより関係改善を図るうえでは日本文化を発信し、日本の良さを伝えていくことが大切」と述べた。
5年前までは東大阪市立の高校とグレンデール市の高校は交換留学プログラムもあったというが慰安婦像の設置後、両都市の文化交流は途絶えてしまっているのが現状だ。同市議は「これを機会に再開できたらいい」と話した。
植樹式にはグレンデール市の元市長で現市議のアラ・ナジャリアン、ポーラ・ディヴァインの2氏と、前市長のヴァータン・ガーパティアン市議、東大阪市からは樽本市議、小畑治彦市議、在ロサンゼルス日本総領事館の千葉明総領事が参加した。
グレンデール前市長のガーパティアン市議は「庭園は見事に生まれ変わった。今後も市民の憩いの場として活用してもらいたい」と話した。
1月に修復が行われ新たに生まれ変わった庭園
裏千家による茶道のデモンストレーション
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