ゲティー・ファイア:今も7091世帯に避難命令
ロサンゼルスのゲティー美術館周辺で28日に発生した山火事「ゲティー・ファイア」は、29日正午までに656エーカーが延焼し、これまでに住宅12棟が全焼、5棟が損壊した。今も7091世帯に避難命令が出ており、懸命な消火活動が続けられている。【吉田純子】
狭い山道と険しい地形により消火活動は難航。消防隊員1165人を動員し消火活動が行われているが、鎮火は15%にとどまっている。 同日午後11時ころには季節風の到来が予測されていることから、消防当局は極度の乾燥と風速30〜50マイルの強風の影響を警戒している。 出火原因は特定されていないが、LA市のエリック・ガーセッティー市長によると、今回の山火事はホームレスが食事を作る際などに使った火が原因ではないという。2017年にベルエア地区で発生した山火事は、ホームレスが料理をした際に使用した火が芝生に引火し燃え広がった。 LA市消防局などは現在、出火原因の調査を進めており、セプルベダ通り近くのフリーウエー#405脇が出火現場であるとしている。 山火事が発生したエリアには、ゴッホやゴーギャンなどの作品を収蔵するゲティー美術館があり、火の手は付近にまで迫っている。しかし同美術館のツイッター投稿によると、同美術館に収蔵されている美術品は最先端技術で保護されており、無事だという。 地元テレビ局のインタビューに答えたセキュリティー対策の専門家によると、同美術館の建物は耐炎性に優れた材料を使用して造られており、さらに同美術館の初代セキュリティー監督を務めた人物は消防局高官だったということから、防火対策は万全だと指摘する。 避難を余儀なくされた住民の中には著名人もおり、カリフォルニア州元知事で俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏は自身のツイッターで28日未明に避難したことを報告。来年の大統領の民主党指名候補のひとりカマラ・ハリス上院議員は遊説先のフィラデルフィアで、自身のブレントウッドの自宅に避難命令が出ていると言及した。 山火事の影響で閉鎖されていたフリーウエー#405の一部区間は28日までに全線閉鎖が解除された。 同山火事の避難所や道路閉鎖に関する最新情報はホームページで―www.lafd.org/news/getty-fire
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