サンバナディーノ:山火事で8万人に避難命令
サンバナディーノのカホパス周辺で発生している山火事=17日(カリフォルニア州森林管理防火局より)
サンバナディーノ国立森林公園で16日、山火事が発生し、17日午後4時までに3万エーカーが焼失した。カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は16日、非常事態を宣言。これまでに付近の住民8万2640人、およそ3万4500世帯に避難命令が発令された。【吉田純子】
山火事は16日午前10時半過ぎ、同郡にあるサンバナディーノ山脈とサンガブリエル山脈の間に位置する峠「Cajon Pass(カホパス)」付近で発生した。気温の上昇と極度の乾燥、風速30マイル近い強風が影響し、火の手は同日午後5時までに6500エーカーまで一気に拡大。ブラウン知事は非常事態を宣言した。 現在1309人の消防隊員、消防車152台、消火ヘリコプター8機、エアタンカー8機、特大エアタンカー2機も出動し大規模な消火作業が行われている。これまでに消防隊員2人が消火作業中に軽傷を負ったと報告されている。 付近のフリーウエー#15は両車線、#215は北方向車線が一部閉鎖されたほか、周辺のフリーウエー、一般道でも交通規制が敷かれている。 全焼または損壊家屋数は不明だが、サンタモニカとイリノイ州シカゴを結ぶ国道66号線(通称「ルート66」)沿い、カホパス付近にあるルート66を象徴するカフェ・レストランとして有名な「Summit Inn」が全焼したと報じられた。 山火事によりサンバナディーノ・バレーとサンバナディーノ山脈一帯には煙が立ちこめ、南カリフォルニア大気環境管理局は煙注意報を発令した。 大気状況の悪化から、アップルバレー統一学校区をはじめ付近の学校区では17日、休校措置がとられた。サンバナディーノ郡統一学校区ではKimbark小学校が付近の道路が閉鎖されている影響で同日休校となったが、そのほかの学校は通常通り授業が行われた。 出火原因は分かっておらず現在も調査が進められている。 極度の乾燥と気温の上昇で、カリフォルニア州各地では山火事が多発している。 北カリフォルニアのレイク郡では13日から今も山火事が続いており、これまでに4千エーカーが焼失。出火原因は同郡に住む40歳の男による放火だと判明し、男は16日、放火容疑で逮捕された。
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