ジャパンフェア: 日本文化、魅力を紹介
1万2千本の花から花びらだけをちぎり取り、来場者が花びらで絵を描いた「インフィオラータ」の3作品
日本の食や伝統芸術など日本文化を紹介するイベント「日本展・JAPAN FAIR」が9月26、27日の2日間、小東京の日米文化会館(JACCC)前のノグチプラザで開催された。今年初の催しとして日本映画祭や花絵の作成が行われたほか、日本食の屋台や各県を紹介するブースなども設置され、日本の魅力を当地ロサンゼルスの人々に発信した。【吉田純子、写真も】
ノグチプラザには各県の名産品などを紹介するブースが設置された
会場にはお好み焼きやたこ焼きなど日本のB級グルメの屋台が並び、ビアガーデン、日本酒の試飲コーナーも設置され、野外ステージでは太鼓や琴、三味線の演奏をはじめ、着物のファッションショーなども披露された。
今年のテーマは「Children, our Future」。「日系社会が高齢化し、次世代のリーダー不足に直面している。諸先輩が築きあげたものを引き継いでいくのは未来の子どもたち」。南加日系商工会議所の青木義男会頭は次世代への日本文化継承への思いが今年のテーマには込められていると話す。
また日系社会には非営利団体が100団体以上あるにも関わらず、横のつながりが希薄だったことを受け、連携強化を図ることも同イベントの目的としていると話す。現在までのところ、南加日商、オレンジ郡日系協会、JACCCの3団体協賛で行われている。
日本文化を紹介する他のイベントとの差別化を図るため、訪日経験がない人にも日本の魅力を知ってもらおうと、島根や愛媛、福岡、茨城など日本の各県の県庁が後援となり、ブースを出展した。
JACCCで貯蔵品の掛け軸を展示した日本美術収集家のジョー・プライス夫妻
JACCCでは生け花と、日本美術収集家のジョー・プライス夫妻の貯蔵品の掛け軸と屏風が飾られ、日本の美が共演した。
2年目を迎え、今年初の催しとして花絵と日本映画祭が行われた。日本からアートディレクターの藤川靖彦氏を招き、地面に花びらを敷き詰め巨大な花絵を描くイタリアの伝統的な「インフィオラータ」を制作。用意した1万2千本の花から花びらだけをちぎり取り、来場者が花びらで絵を描き、2日間で3作品、計約8時間かけ完成した。
日本映画祭では、ボイルハイツにある敬老引退者ホーム創設者のひとり故フレッド・ワダ氏が、1964年に開催された東京オリンピック招致に尽力する姿を描いた「東京にオリンピックを呼んだ男」のほか、ロサンゼルス初公開となるアニメ映画「妖怪ウォッチ」、日本の人気漫画の実写映画「進撃の巨人」、「THE HYBRID鵺(ぬえ)の仔」、短編映画「海ガメの約束」などが上映された。
「THE HYBRID鵺の仔」に出演した研ナオコさん、「海ガメの約束」に出演した青木隆治さん、「進撃の巨人」に出演した武田梨奈さんらが訪米し、映画上映前に舞台あいさつをした。
青木会頭によると、今年は暑さが影響してか、6千人以上が来場した昨年と比べると、来場者数は少なかったようだ。同イベントの入場料の収益については、「日系社会のために還元したい。必要であれば南加日商のように他団体への寄付も考えている」と話している。
日本映画祭の舞台あいさつにのぞんだ研ナオコさん(右)と青木隆治さん
Comments