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Writer's pictureRafu Shimpo

ソーテル日本人街に米国1号店:「食文化を世界へ広めたい」

エビとイカが、たっぷり盛られた海鮮焼き

 広島お好み焼・鉄板焼店「ちんちくりん」を広島に10店、東京に3店構える「ケーツーエス」社(本社広島市・川上博章代表取締役)は、米国1号店を11日、ウエストロサンゼルスの「ソーテル・ジャパンタウン」にグランドオープンした。小東京の2号店は6月に開店を控え、多店舗展開の経営戦略を練る村竹真一副社長は「広島の食文化のお好み焼きを世界へ広めたい」と意気込む。

自分好みの味で食べる 広島の「ソウルフード」 安価でヘルシー、具だくさん  ちんちくりんのお好み焼きは、小麦粉を水で溶き、薄く伸ばして焼いた生地の上に、魚粉、キャベツ、揚げ玉、ネギ、もやし、薄切り豚肉、焼きそば麺、タマゴのそれぞれの具を順に載せ、大きな鉄板で焼く。

具だくさんで、何層にもなる広島お好み焼き

 そして、好きなトッピングを選び、相性抜群の「オタフクお好みソース」をタップリと塗って、青のりをかけ自分好みの味に仕上げるのが食べ方。川上社長は「基本的に何でも好きな物を入れることができる」と話し、おすすめトッピングとして、ソーテル店のメニューでは、ツナコーン焼き、エビマヨ焼き、半熟タマゴ焼き、焦がしネギマヨ焼き、イカイカ焼き、バジルチーズの6種類の食べ方を写真を添えて紹介している。  生地と具を混ぜ合わせて焼く大阪のお好み焼きに対し、数種の具を重ね合わせ「レイヤー」にするのが特長。レイヤーは幾重で分厚いため、調理は技量を要する。それぞれの具の食感を残し、うまさを引き出すのは、職人の技の見せ所。微妙な焼き加減が、うまさを左右するという。具材により調理に適した温度が違うため、具を加える度に、お好み焼きを温度が異なる鉄板にスライド(4回)させ、1枚約15分で焼き上げる。  客は調理する必要はなく、ビールや酒を飲みながら鉄板メニューやおつまみを食べて待つだけ。お好み焼きは、ランチ11ドル、ディナー12ドルから。飲み物は、ソフトドリンクにビール、地酒、焼酎、チューハイ、梅酒、ワインを取り揃えている。  メニューは、お好み焼き、広島つけ麺、広島汁なし坦々麺を「三本柱」とする。鉄板焼きメニューを約40種用意したが、この三本柱だけで、予想した売上げを上回ったという。昨年末にソフトオープンし、宣伝はまださほど行っていないというが、テーブルとバーを合わせた約40席を埋め繁盛した日もあり、滑り出だしは上々。川上社長は「6組、7組待ちの時があった。うれしい誤算」と語る。「安価でヘルシーな広島の『ソウルフード』を食べに来てほしい」と願っといる。

飲食業と鉄板販売を両立 多店舗展開、まず南加から

念願の米国進出を果たした「ケーツーエス社」が経営する広島お好み焼・鉄板焼店「ちんちくりん」の川上博章代表取締役(左)と村竹真一副社長

 ケーツーエス社は、お好み焼き店として1999年に創業したが、業務用鉄板の製造・販売に乗り出した。商品開発は、元機械設計士の川上社長が自ら、鉄工場を回った。使い勝手が分かる調理場の経験を生かしたモノづくりは、完成度が高く支持を受け、鉄板機器の国内トップメーカーとなった。「こだわり」という「一枚板」の鉄板は、5メートルの長さでさえも熱で歪むことがない、と胸を張る。同社はさらに、他のお好み焼き・鉄板焼店の店舗の設計、設備の導入も手掛ける。  飲食と厨房機器の業績はともに伸び好調で、双方の売上げは同じくらいだといい、米国での事業展開も同様の業容で臨む。「二足のわらじ」について村竹副社長は「他の店のデザインも行いたい。そして、うちの最新の設備を導入し、開店した店にお客さんに来てもらって食べてもらうのが目的」と説く。  ソースは、同じ広島を拠点とする「オタフクソース」社製を使用する。ケーツーエス社は日本で、オタフクソースの顧客に開業アドバイスや店への設備導入を行っており、過去10年で約1000店(お好み焼き店は全国で約1万8000店)を請け負った実績を誇る。米国でもこの良好なパートナーシップを維持するといい、村竹副社長は「お好み焼きが売れれば、ソースが売れ、鉄板も売れる」という相乗関係を強調する。「ウチの店で、お好み焼きの研修を受けたお客さんに、どんどん店を出してもらって、みんなで店舗を広げていきたい」と希望する。オタフクフーズ社の小澤孝充社長は、両社の関係を「ウィン・ウィン」と表現し、二人三脚での成功を期す。「広島の文化を広める」という思いも一致したという。

技術を駆使した「一枚板」の鉄板は、もちろん自社製品

 多店舗展開は、当分は日本と同様に直営で行うとし、まず南カリフォルニアを中心に増やし、事業が軌道に乗れば、フランチャイズ(FC)制を視野に入れ、多店舗化を加速させる考えを示している。

「ちんちくりん」ソーテル店 2119 Sawtelle Blvd. Los Angeles, 90025 310-478-0521 Lunch 11:30-14:00 Dinner 17:00-23:00 Close / Tuesday chinchikurin-usa.com

カウンターターとテーブルを合わせて約40席の店内


日英バイリンガルの親切なスタッフがサーブする


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