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Writer's pictureRafu Shimpo

ハリウッドの中心部に来夏開設:海部館長が就任あいさつ

ジャパン・ハウスの前途を祝した鏡開き。左から2人目がYOSHIKIさん、4人目が堀之内総領事、右隣が海部館長

ジャパン・ハウスの前途を祝した鏡開き。左から2人目がYOSHIKIさん、4人目が堀之内総領事、右隣が海部館長

 日本の文化や先端技術を全米に発信する新たな拠点「ジャパン・ハウス」(仮称、来夏開設予定)の活動内容と施設の概要を紹介するイベントが10日、政財界や文化芸術、エンターテインメント、コンテンツなど各界から約200人を招きセンチュリーシティーのインターコンチネンタル・ホテルで開かれた。ハリウッドの中心部に位置する大型モール「ハリウッド&ハイランド」内への設置が発表され、就任あいさつを行った海部優子館長や、アドバイザーを務めるロックバンド「X JAPAN」のYOSHIKIさんが抱負を語った。

就任のあいさつで、抱負を述べる海部館長

就任のあいさつで、抱負を述べる海部館長

 ジャパン・ハウスは、ロサンゼルスほか、イギリス・ロンドンとブラジル・サンパウロの世界3カ所に来年の設置を目指している。現地の人々が「知りたい日本」を発信することをコンセプトにした日本の政府事業は、政府が委託した民間企業との官民協働で行う。ロサンゼルスは、日本語テレビ局「UTB」をグループ傘下に持つ「ESP」社と事業を推進する。  イベントであいさつに立った堀之内秀久総領事は、ジャパン・ハウスは日本政府の広報施設であるとし「ロサンゼルスは、全米で唯一選ばれた」と強調。「施設を訪問し、見学することで、すべての日本を体験できる。芸術に食、デザイン、ビジネス、科学技術などを紹介する日本へのゲートウェーで、日本を体験する情報を提供する」と説明した。自らが議長を務め、当地の有識者からなる運営委員12人を紹介し、アドバイスを仰ぐという。  海部館長は、館長就任について「光栄であるとともに、重責を感じている」という一方で、1月から率いるチームは「少数ながらも精鋭」と述べ、意気込みを示した。活動内容については「芸術文化やビジネス、科学技術、観光、エンターテインメント、映画、音楽、食、アニメなど、本物の日本を紹介するショーケースである。日本を知り、発見する、アメリカ人に魅力的な場になる」と説き、イベントに参加した多くの団体の協力を求めた。

あいさつに立つジャパン・ハウスのアドバイザーのYOSHIKIさん

あいさつに立つジャパン・ハウスのアドバイザーのYOSHIKIさん

 外務省出身の海部館長は、日系担当領事として当地総領事館の勤務経験を持つ。その後は、全米日系人博物館、MUFGユニオンバンクに勤めるかたわらで、JBA(南カリフォルニア日系企業協会)や米日カウンシルなどの有力団体で要職を務めるなど、日米関係に熟知した手腕の発揮に期待が寄せられる。  LAのジャパン・ハウスの事業概要を説明するビデオが上映された。アカデミー賞の授賞式の会場と同じ建物に施設が入る。内装やコンセプトを任された日本人の各アーティストや建築デザイナーが登場し、「和」や「間(ま)」「粋(いき)」「ものづくり精神」など、日本と日本文化を前面に押し出したアイデアを披露した。2階と5階の2カ所に分かれた施設は、機能性とインスピレーションがわくデザインとし、和食レストランやバー、日本のグッズや地方の特産物などの物販コーナーを備える。  YOSHIKIさんがあいさつし「LAに住む20年の中で、日本の食と芸術文化の広まりを目にして喜ばしい」といい、「アーティストとして、ジャパン・ハウスが日本文化を広め、他の世界のアーティストに刺激を与えてほしい」と期待を寄せた。YOSHIKIさんは東日本大震災の甚大な被害に心を痛め、愛用のピアノやドラムをオークションにかけて寄付する被災地支援を継続しており「震災から今日で5年が経過した。あの日を決して忘れることはない」と語り、支援の必要性を訴えた。

JC3アワードの表彰式。左から堀之内総領事、ワーナー・ブラザーズ・エンターテインメントのダグラス・モンゴメリー氏、JETROロサンゼルス事務所の吉村佐知子所長

JC3アワードの表彰式。左から堀之内総領事、ワーナー・ブラザーズ・エンターテインメントのダグラス・モンゴメリー氏、JETROロサンゼルス事務所の吉村佐知子所長

 ジャパン・ハウスはまた、当地で活動する日本政府機関の「JETRO(日本貿易振興機構)」「国際交流基金」「日本政府観光局」とも協力する。席上、JETROロサンゼルス事務所が毎年表彰する、日本のコンテンツの世界普及に貢献した俳優や制作者、制作会社をたたえる「ジャパン・クールコンテンツ貢献賞(JC3アワード)」の授賞式を催した。今年は、ハリウッド版「ゴジラ」や「エッジ・オブ・トゥモロー」などを制作した「ワーナー・ブラザーズ・エンターテインメント」社が受賞した。  イベント前に会見が開かれ、堀之内総領事と海部館長がジャパン・ハウスに関する記者団の質問に答えた。  総領事は「最大の目標は、米国における親日派・知日派の裾野の拡大であり、官民一体となって日本の魅力をハリウッドから全米に発信する。ぜひとも成功させたい」と力を込めた。歴史認識を巡る立場については「領土問題は、外務省が中心となって取り組んでいて、動画を作成し配信する」と話した。アドバイザーのYOSHIKIさんの起用は「日本のコンテンツの全米展開にあたりアドバイスを求めたい」と説明。同事業は4年間(予算36億円)とし、その後は未定だという。  海部館長は「日本の価値のあるものを紹介し、官民一体のシナジーで事業を展開する。これから、いろいろ企画を考えたい」。政府系各機関とのコラボレーションについては「単体ではできない、地方の紹介などを多面的に行うことができる」と、発展に意欲を示した。ロゴやウエブサイトは、これから作成する。【永田潤、写真も】

ジャパン・ハウスの活動内容について説明する堀之内総領事(左)

ジャパン・ハウスの活動内容について説明する堀之内総領事(左)


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