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Writer's pictureRafu Shimpo

ピクニック:県人会員、盛夏の集い

今年は新会員8人も加わり参加者全員で記念撮影する静岡県人会

今年は新会員8人も加わり参加者全員で記念撮影する静岡県人会

 南カリフォルニア日系コミュニティーの夏の恒例行事、ピクニックが各地で行われている。ブエナパークのジョージベリス公園では2日、静岡県人会(蒲原孝郎会長)と和歌山県人会(有地敏弘会長)がそれぞれにピクニックを開催した。会員各自持ち寄った美味しい食事に舌鼓を打ちながら、ゲームやカラオケ、民謡などの余興を楽しみ親睦を深めた。

静岡県人会 新会員8人が参加

 静岡県人会は同公園の東側でピクニックを開催した。今年入会した新会員8人も加わり、下は3カ月から上は99歳まで、およそ70人が参加し、持ち寄った食事を囲みながら、恒例のラジオ体操やゲーム、カラオケ、ラッフル抽選会を楽しみ交流を深めた。  今年同県人会の会長に就任した蒲原氏にとって、今回は就任後初のピクニック。「先輩たちが築き上げてきたことを引き継ぎ、県人会をさらに活発にしていきたい」と意気込む。  7月には静岡県庁を訪問し、川勝平太知事と面会。同県人会の会長が県知事と面会するのは、100周年を迎えた2005年、柴邦雄前会長が訪問して以来10年ぶりとなった。いずれ同県への交換留学プログラムの発足も検討しているという蒲原氏は、県との交流をより深めていきたいと同知事に伝え、100周年記念誌を手渡したという。  また海外の県人会活動を取りまとめる静岡県国際交流協会も訪問、情報交換したと話す。  同県人会とは別に、サウスベイ地区で30、40代の若手駐在員らを中心に「青年部」を結成していた蒲原会長は今年、青年部に所属していた若手を同県人会に導いた。15人が新たに入会し、今年のピクニックには20代、30代の若いメンバーの姿が目立った。  今年入会した中島健さん(36)もそのひとり。他のメンバーとも交流し「静岡県の地元の話もできて楽しかった。これからも参加していきたい」と話した。  昼食ではテーブルに並んだいなり寿司や炊き込み御飯、煮物、そうめんなどに舌鼓を打ち、食後は健康維持のため毎年行われている同県人会恒例のラジオ体操、カラオケ、ゲーム大会、ラッフル抽選会などをして交流を深めた。

和歌山県人会 6人に奨学金授与

 和歌山県人会は同公園の西側でピクニックを開催した。およそ150人が集まる中、今年度の奨学金受領者6人への授与式が行われ、子どもたち対象のゲーム大会のほか日本民謡や日本舞踊も披露され、交流を深めた。  「一期一会の出会いとつながりを大切に、絆を深めていきましょう」。有地会長がメンバーにそう呼び掛け、ピクニックはスタートした。  今年は毎年日本で行われている国体(国民体育大会)が、同県で開催されるため、世界各地の県人会メンバーも応援に向かう。有地会長を含め同県人会からは15人、メキシコから6人、カナダ2人、アルゼンチン1人が開会式に出席する予定だ。  国体のほか、来年は弘法大師・空海が開いた真言密教の聖地で同県伊都郡にある高野山が開創1200年を迎える。また1890年にオスマン帝国(後のトルコ)の親善訪日使節団を乗せた船が同県串本町沖で座礁し、地元住民が救助に向かった話を映画化した「海難1890」も今年日本で制作された。この事件がきっかけとなり、その後の日本とトルコ間の友好関係が始まったとされる。「今年から来年にかけて、和歌山県には注目が集まりそうで嬉しいです」と有地会長は当地からエールを贈る。  ピクニックでは毎年、和歌山県に所縁があり、高校を卒業し大学進学を控えた若者に奨学金を授与している。今年の受領者は、フィリップ・カメイさん、ウィリアム・トミタさん、タイ・タニオカさん、マシュー・レヴィンさん、アンドリュー・グルーンさん、カトリーナ・ウエハラさんの6人。それぞれは大学進学後も勉学に励み、同県人会の活動にも積極的に参加することを誓った。  同県人会は短期留学プログラムも設けており、毎年7月、先祖ゆかりの同県で2週間を過ごし、和歌山大学や高野山などを訪問する。この日は来年出発予定の2人が発表された。  ニューヨーク州にあるレンセラー工科大学(コンピューター・エンジニアリング学部)に進学予定で、祖父が和歌山県出身のフィリップ・カメイさんは兄も同プログラムに参加。3歳の時に1度、日本を訪れたことがあるという。「もし祖父が米国に渡っていなかったら、自分は和歌山大学に通っていたかもしれません」。日本では同大学を訪問し、米国とは違う日本のキャンパスライフを垣間見るのが楽しみだという。  カリフォルニア大学リバーサイド校(生物学部)に進学予定のアンドリュー・グルーンさんは祖父母が和歌山県出身。幼い頃から毎年ピクニックに参加していたという。「子どもの頃から日本に興味があり、去年の夏に初めて訪問しました。親戚が和歌山にいるようなので、会えたらうれしいです」と語り、早くも訪日を楽しみにしていた。【吉田純子、写真も】

 和歌山県人会から奨学金を受け取った今年の受領者とその家族ら

和歌山県人会から奨学金を受け取った今年の受領者とその家族ら


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