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Writer's pictureRafu Shimpo

ポーターランチガス漏出事故: 住民の自宅内外に黒い付着物

ポーターランチの住民宅の外壁にこびりついた油の残留物のような黒い斑点。弁護団が説明会で被害状況のひとつとして発表した

ポーターランチの住民宅の外壁にこびりついた油の残留物のような黒い斑点。弁護団が説明会で被害状況のひとつとして発表した

 ロサンゼルス北部ポーターランチにあるSoCalGas社の天然ガス貯蔵施設で4カ月近くにわたって続いていたガス漏出事故で、転居先から帰宅した住民から、油の残留物のような黒い斑点が自宅内や屋外のいたるところに付着しているとの被害が相次いで報告されている。【吉田純子、写真も】

 住民によると、自宅内の壁や家具のほか自宅外の車などにも黒い斑点が付着しているという。  ポーターランチに30年以上住んでいる山口弘・淑子夫妻も近隣住民から自宅のプールに黒色の油のようなものが浮かんでいるとの話を聞いたという。  ガス会社の施設からもっとも近い住宅街に住むNPO「Save Porter Ranch」の代表のひとり日比野恭子さんは、ガス漏出事故発生後から自宅の外に駐車していた車に黒い斑点がつき始めたと話す。車に付着した黒い斑点はタオルでこすっても、水で洗い流してもとれなかった。  環境や医療の専門家のほか、弁護団が一堂に会して1月下旬に行われた説明会では、すでにこうした油のような付着物に関する苦情が住民から数多く寄せられているとの説明があり、専門家らはガス漏出事故との関連性を指摘していた。  SoCalGas社は声明で、ロサンゼルス郡公衆衛生局によるとこうした黒い付着物が人体に害を及ぼす危険性は極めて少ないが、皮膚に触れるとかぶれや炎症など引き起こす可能性もあることから、触らないように呼び掛けている。また自宅菜園でとれた野菜に黒い付着物がついていた場合は食べないよう注意している。  昨年10月23日から続いていたガス漏出事故で、2月18日にガス会社と石油や天然ガスなどのエネルギー資源の安全性を取り締まる加州機関「Division of Oil, Gas and Geothermal Resources(DOGGR)」はガス漏れが発生していたガス井(SS25)はふさがれ、ガスの漏出は停止したと発表した。  ガス漏出事故発生後、施設周辺の住民からは鼻血や頭痛、吐き気などの健康被害が相次ぎ、ガス会社は費用を負担し、住民に転居アシスタントを実施。同社によると、2月中旬までに4600世帯以上がホテルなどに転居し避難生活を送っていた。漏出停止の発表後は2081世帯が自宅に戻ったという。  しかし、帰宅した住民からも依然頭痛などの健康被害が後を絶たない。問題のガス井はふさがれたと発表はあったが、住民の不安は今も消えないようだ。  米海洋大気庁とカリフォルニア大学デービス校(UCD)などの調査結果によると、今回の事故で10万7千トンのメタンガスが大気中に放出され、米史上最大のメタンガス漏出量となった。

SoCalGas施設からもっとも近い住宅街に住む住民のひとりで、自宅外に車を止めていた日比野恭子さんの車にはガス漏出事故後、黒い斑点が至る所についている。タオルで擦っても水で洗ってもとれなかった

SoCalGas施設からもっとも近い住宅街に住む住民のひとりで、自宅外に車を止めていた日比野恭子さんの車にはガス漏出事故後、黒い斑点が至る所についている。タオルで擦っても水で洗ってもとれなかった


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