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Writer's pictureRafu Shimpo

ポーターランチ・ガス漏出事故:ガス会社、加州当局に和解金850万ドル

ポーターランチにあるSoCalGas社の天然ガス貯蔵施設の入り口


 ロサンゼルス北部ポーターランチにあるSoCalGas社の天然ガス貯蔵施設で2015年10月から昨年2月までの4カ月近くにわたり続いていたガス漏出事故をめぐり、南カリフォルニア大気環境管理局がガス会社を訴えていた問題で8日、同社が850万ドルを支払うことで和解した。【吉田純子、写真も】

 3600エーカーある同施設敷地内には天然ガス貯蔵用井戸が115基ほどあり、ガス漏出事故はそのひとつで発生した。昨年2月18日に漏出停止が発表されるまでの4カ月近くにわたって、およそ10万9千トンのメタンガスが大気中に放出され、米史上最悪の天然ガス漏出事故となった。  和解金850万ドルのうち、100万ドルはガス漏出事故によって今後起こりうる健康被害に関する調査費用に充てられ、565万ドルは有害物質を排出したことに関するエミッション費、160万ドルがこれまで同局が実施してきた大気調査費用の返済金、25万ドルが訴訟費用として支払われる。  エミッション費565万ドルのうち、100万ドルは同施設と同様の天然ガス地下貯蔵施設を可能な限り減らすため、再生可能天然ガスを製造する計画に投じられる予定。  同施設内には1950年代に作られた貯蔵用井戸もあることから老朽化が問題視されており、事故が起こった天然ガス貯蔵施設も1953年につくられた貯蔵用井戸だった。  事故後、施設周辺では鼻血や嘔吐、頭痛、めまいなどを訴える住民の声が相次ぎ、およそ7千世帯がホテルやレントハウスなどに転居し、避難生活を送った。  ガス会社側は現在施設のメタンガスレベルは正常値としているが、今も施設周辺住民からは健康被害を訴える声が後を絶たない。  施設から1マイルほど離れた場所に住む山口淑子さんは、転居先からポーターランチに戻って以来、今も鼻血などの健康被害に悩まされていると話す。「昨日(8日)も朝起きると鼻血が出ていました。病院に行っても毎回医師は原因が分からないと言うのです。年末年始にも3回ほど近くの病院の救急救命室(ER)に行きましたが、依然原因は不明のままです」と不安な表情をみせる。  ガス会社によると同施設敷地内には今もおよそ148億立方フィートの天然ガスが貯蔵されている。

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