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Writer's pictureRafu Shimpo

ポーターランチ:ガス貯蔵施設でまた漏出

ポーターランチの住宅街と米史上最大のガス漏出事故後、今回4度目のガス漏出事故が発生したガス貯蔵施設があるサンタ・スサナ・マウンテン(後方)

ポーターランチの住宅街と米史上最大のガス漏出事故後、今回4度目のガス漏出事故が発生したガス貯蔵施設があるサンタ・スサナ・マウンテン(後方)


 米史上最大のガス漏出事故の現場となったロサンゼルス北部ポーターランチにあるアリソ・キャニオンの南カリフォルニア・ガス・カンパニー(SoCal Gas Co)のガス貯蔵施設で、新たにガス漏出が発生していたことが分かった。【吉田純子、写真も】

 新たなガス漏出が発生したのは先週。全米で環境保護を目的に活動するNPO「Food & Water Watch」によると、9、10、11日の3日間にわたり施設周辺の住民から異臭がするとの通報が多数寄せられたという。同NPOロサンゼルス支部によると、ガスの漏出は12日夜に停止したという。  ガス会社によると、今回のガス漏出は連邦や州で規制されている物質は検出されておらず、健康に危害を及ぼすレベルではないとしている。漏出量は現在までのところ分かっていないが発見からすぐに停止措置がとられたため今回の漏出は小規模だとしている。漏出の原因は現在も調査中。  3600エーカーあるアリソ・キャニオンの敷地内には115基のガス貯蔵用井戸があり、SoCalGas社のガス貯蔵施設のほか、ロングビーチに拠点を置くターモ石油など数社が石油採掘を行っている。石油会社は同敷地内に油井を所有し、石油採掘をする際に発生したガスを同じ敷地内にあるSoCalGas社のガス貯蔵施設に送り、貯蔵している。  施設内の貯蔵井戸は1950年代に作られた井戸が多く、老朽化による安全性の不備がかねてから指摘されている。  今年に入ってからも同施設敷地内ではたびたび漏出事故が発生しており、3月にはターモ石油社が石油採掘の際に発生したガスを故意に大気中に放出し、証拠隠滅を図り7万5千ドルの罰金が科されたほか、4月にはコロラド州デンバーに拠点を置くクリムソン・リソース・マネジメント社が運営する油井からガスの漏出事故が発生。7月には再びSoCalGas社のガス貯蔵施設から漏出事故が発生している。  今回は昨年の大規模な漏出事故発生後、4度目の漏出事故となり、安全性を懸念する声は住民らの中で強まるばかりだ。14日には施設周辺住民が結集し、施設全体の閉鎖を求める抗議集会が行われた。  ガス漏出事故は昨年10月23日に発生。今年2月18日に漏出が停止されるまで、およそ10万7千トンのメタンガスが大気中に放出され、米史上最大のメタンガス漏出事故となった。  同事故をめぐりロサンゼルス郡は今年2月、事故後、直ちにカリフォルニア州危機管理局など行政機関に事故の発生を報告しなかったとしてSoCalGas社を提訴。 今月13日には同社が400万ドルを支払うことで和解した。

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