ヨセミテ国立公園:新たにペスト感染の疑い
カリフォルニア州公衆衛生局は18日、同州にあるヨセミテ国立公園を訪れた旅行者に、ペスト感染と疑われる症状がみられており、現在経過を観察していると発表した。感染が確認されれば、同公園でのペスト菌感染者は2人目となる。
この患者はジョージア州在住で、今月初めに同公園や隣接するシエラ国有林を訪れていた。現在、米疾病対策センター(CDC)が感染の有無を検査している。 同公園では7月中旬にも、ロサンゼルス郡在住の少女がペストに感染し、病院に搬送されている。感染した少女の年齢など詳細は公表されていないが、同公園内のクレーン・フラット・キャンプ場に宿泊した後に体調不良を訴えた。同キャンプ場はその後4日間、閉鎖された。 同公園北部にあるトゥオルミメドウズ・キャンプ場では、2匹のリスの死骸が発見され、死骸からペスト菌が検出されたことから、同キャンプ場も閉鎖され、今週中に消毒作業が行われる。現在少女はすでに回復しているという。 ペストはノミや野生のリス、ネズミなどげっ歯類が媒介する感染症で、発症すると発熱や頭痛、嘔吐、下痢、呼吸困難などを引き起こす。中世14世紀のヨーロッパでは、衛生状態が悪かったことからペストが大流行し、多くの死者が出た。発症すると皮膚が黒くなることから黒死病とも呼ばれ恐れられてきたという。 コロラド州では今月5日、ペスト感染で成人1人が死亡しているほか、6月にも同州在住の16歳の少年が死亡している。今年に入ってから同州ではほか2人の感染が確認されているが、いずれも回復している。うち1人は犬を媒介として感染したという。 CDCによると、米国では毎年平均して8件ほどのペスト感染が報告されているというが、ペスト感染は非常にまれで、抗生物質など医療の進歩により死者は出ていなかった。米国では人から人への感染は1924年以来報告されていない。
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