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Writer's pictureRafu Shimpo

レスリー・イトウ氏:JACCCでの5年半を振り返る

イトウ氏のお別れ会で家族とともに(トーヨー・ミヤタケ・スタジオ撮影)


暫定CEOにデレン・モコ氏

 日米文化会館(JACCC)のレスリー・イトウ館長兼CEOが27日に退職し、9月にパサデナのアモリー・アートセンターの専務取締役に就任する。5年半、同館の運営に携わり、日系コミュニティーの中で中心的役割を果たしてきたイトウ氏にJACCCでの思い出を、そしてイトウ氏の後を継ぎ暫定CEOへの就任が決まったデレン・モコ氏に今後の抱負をそれぞれ語ってもらった。【取材=吉田純子、グウェン・ムラナカ】

 同館での5年間を振り返ると「Bitter and Sweet」という言葉がもっとも当てはまると話すイトウ氏。同館を去るというより、異なる役割を担うといった表現の方がふさわしいと感じているという。

提携した日本の酒造メーカー・サントリーのウィスキーの試飲講座(Old Factory Films撮影、JACCC提供)

 在職中はワタナベ・カルナリー文化センターやウクレレセンターの設立のほか、アラタニ劇場や同会館の冷暖房設備の改善や、劇場への高性能の音響・照明機器の導入、また劇場の屋根も新しく張り替えるなど設備投資を実施。高齢者のための映画創作クラスの設置にも携わった。  理事会メンバーを自身のメンターと仰ぎ、「彼らが日系コミュニティーのこと、そして日本のことを教えてくれた」と振り返る。  日系コミュニティーだけでなく、日本政府や日本から来るビジネス関係の人々とも良好な関係を構築していかなければいけないということを感じていたというイトウ氏は、在職中に日本との関係強化に取り組んだ。宮崎県と提携し、宮崎県の「くじらのぼり」や茶道実演、茶の試飲などを実施。同県には2回出向き友好関係の構築に力をいれた。  また日本の酒造メーカーのサントリー・ホールディングスや冷凍冷蔵機器メーカーのホシザキ・アメリカなどと提携し、ワタナベ・カルナリー文化センターの事業発展に務めた。

イトウ氏のお別れ会でウクレレ演奏を披露したウクレレ講座参加者たち(トーヨー・ミヤタケ・スタジオ撮影)

 新たな職場であるアモリー・アートセンターはコンテンポラリー・アートギャラリーやレクリエーションセンターなどもあり、ビジュアルアーツにより特化した施設だという。同館と同規模で、パサデナ在住の同氏の自宅からも近いという。「新たなことへの挑戦も必要だと思った。同時に次世代のリーダーが経験をつむ機会をつくることも大切だと思った」と自身の転職を振り返る。  暫定CEOに就任したモコ氏については「JACCCという組織のことをよく知り、リーダーシップがとれる人物をさがしていた。彼は最適な人材だと自信をもって言える」と太鼓判を押す。  トーレンス生まれのモコ氏はポモナ・カレッジに20年間勤務。2014年から同館の理事会の一員となっていたが、昨年自身がワシントン州のウィットマン・カレッジの職員を務めることになり退任。今回イトウ氏の退職に伴い、暫定CEOに就任した。「小東京のさまざまな団体と良好な関係を構築し、協力しながらJACCC、そしてコミュニティーをさらに活性化していきたい」と抱負を語った。

暫定CEOに就任したモコ氏(マイケル・ヒラノ・カルロス撮影)


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