二世週祭:南加詩吟連盟が吟詠大会
創立25周年を記念し、記念撮影におさまる来賓と吟士たち
二世週日本祭の一環行事として行われている南カリフォルニア詩吟連盟(世木錦光理事長)の吟詠大会が8月30日、モンテベロ市のクワイエットキャノンで開催された。同連盟は今年、創立25周年を迎え、所属6流派からおよそ200人が出席。書道吟、華道吟、創作演武、構成吟が披露された。吟士たちは伝統を継承した先人たちに感謝するとともに、さらなる発展を誓い、記念すべき年にふさわしい大会となった。
同連盟に所属する6流派は、国総流詩吟会(国総会)、観水流米国錦友吟詩会(錦友会)、国峯流詩歌吟詠・峰月流吟舞尚道会(尚道会)、日本国誠流詩吟羅府国誠会(国誠会)、日本国風流詩吟吟舞北米羅府国風会(国風会)、榧本流米国錦龍吟詠会(錦龍会)。
大会は第1部、2部、3部に分けて行われ、1部では各流派の吟士たちが日頃の練習の成果を発揮。
第2部の特別エンターテインメントでは、書道吟「登鶴省楼」(吟=荒木国漳、書=荒木美沙子)、華道吟(いけばな=赤松律月、吟=金瀬錦雅、今田総花)、創作演武「白虎隊」(山本とおる、Tampico Dan、水野龍郎、池辺剣水、尺八=鹿子畑翔士、琴=海野マック、海野薫子、歌=小阪和子)が披露された。
師範の部で詩吟を披露する同連盟理事長の世木錦光氏
詩吟と伝統芸能の共演を目にすることができるのも、同連盟の吟詠大会ならでは。吟士たちは真剣に舞台に見入っていた。 今年の構成吟は「義経」。偶然にも今年の二世週祭のパレードでは青森ねぶた「津軽海峡 義経渡海」がとりを飾ったばかり。6流派の吟士たちが集結し、義経の運命と当時の情景を思い起こすがごとく力強く吟じた。 式典では同連盟の活動に尽力した歴代理事長の荒木国漳(国風会)、豊田国鋒(同)、森作国雄(同)、西川国順(国誠会)に記念品が贈呈された。謝辞を述べた西川氏は、「諸先輩の志を受け継ぎ、地に足をしっかりとつけた吟士になっていきたい」と述べ、これからもさらに吟の道を精進していくことを誓った。 第3部では各流派の師範たちが見本となる吟詠を披露した。 大会には二世週祭新女王のサラ・クニコ・ハッターさんとコートたちも会場に姿を現し、詩吟を観賞した。新女王のサラさんは「ロサンゼルスで日本の伝統文化に触れることができ、とても貴重な経験になりました」と話し、詩吟の世界観を満喫した様子。コートたちもテーブルに同席した吟士たちとの会話を楽しみ、初めて聞く吟詠に聞き入っていた。 世木理事長は「長きにわたり南加地区で培われた詩吟の歴史を、これからも継続させ、若い世代にも理解してもらいたい。楽しく学んでもらえるよう、今後取り組んで行かなければならない」と力を込める。「若い人にも詩吟を知ってもらえるよう、アカペラだけでなく、自分の声と感情を伴奏にのせて吟じる方法や、演芸部を作り、書道吟や華道吟、吟舞を若い人にも紹介していきたい」と話した。【吉田純子、写真も】
華道吟で生け花をいける池坊ロサンゼルス支部の赤松律子支部長(右から)と吟詠を披露した国総会の金瀬錦雅と今田総花
構成吟「義経」に参加した各流派の吟士たち
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