二世週祭:1街を熱気で包み閉会式
東1街を踊りながら進む坂東秀十美、サラ・クニコ・ハッター二世週祭クイーンら
記念すべき75回目を迎えた今年の二世週祭(テリー・ハラ実行委員長)が23日、閉会式を終えた。同日、1街で行われた街頭音頭には同祭新女王のサラ・クニコ・ハッターさんとコートたち、音頭ダンスの振付けを担当した坂東秀十美社中をはじめ、南加地区で活動する日本舞踊の各社中など、多くの人が参加し、小東京を熱気で包んだ。【吉田純子、写真も】
大勢の入場者で賑わった盆栽展の会場
7月19日の開幕式から約1カ月間、「Let the Good Time Roll(ずっと楽しく)」をテーマに、日本文化を紹介するイベントが毎週末にわたって小東京を中心に行われてきた。
22、23の両日は、日米文化会館(JACCC)で米国書道研究会による書道の実演や、南風会の盆栽展示など、日本文化を紹介する催しが行われ、多くの人で賑わった。
23日にはJACCC前のノグチ広場と街頭音頭開始前の1街で、日本の古典芸能「大田楽」が披露された。桃色の花をあしらった大きな笠をまとい、腰鼓や編木をつけ、アクロバットさながらの踊りを披露。獅子舞も登場し、観客は大きく口を開けて近づいてくる獅子舞に驚きながらもパフォーマンスに見入っていた。
街頭音頭では坂東秀十美師を先頭に、各社中、日系コミュニティーの諸団体のメンバーが続き、民謡の松豊会・民謡ステーションの生演奏のもと、「安里屋ユンタ」や「炭坑節」などの音頭にのって1街を踊り歩いた。
今年のパレード・マーシャルに選ばれた和太鼓奏者のケニー・エンドウさんも加わり、ダイナミックな太鼓演奏を見せつけた。
美しく、気品があふれる木目込み人形
街頭音頭は1部、2部に分けて行われ、休憩をはさみ、後半からはグランドパレードでとりを飾った青森のねぶたが再び小東京に登場した。幅約5メートル、全高約5メートルの「津軽海峡 義経渡海」が点灯されると、見る者を圧倒し沿道から歓声が聞こえた。
街頭音頭には浴衣や甚平姿の参加者の姿も多く、うちわ片手に日本の夏祭りを彷彿とさせる出で立ちで、見よう見まねで振付けを真似し、即興で覚え、踊りを楽しんでいた。
ハラ実行委員長は、「今年のグランドパレードでは青森のねぶたが8年ぶりの登場を果たし、東北6県の代表的な祭りを一堂に集めた『東北六魂祭』や、大田楽も加わり、75回目の記念すべき年にふさわしい祭りになった」と振り返った。また「祭りを陰で支えたボランティアメンバーなくして二世週祭は成功できない」とも述べ、彼らのサポートに感謝し、同祭の継承とさらなる発展を願った。
日本の古典芸能「大田楽」で登場した獅子舞
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