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Writer's pictureRafu Shimpo

五輪と渡嘉敷選手

 夏季五輪リオデジャネイロ大会が始まり、日本選手・日本チームの成績に一喜一憂する日が続く。  今大会は1人の選手がとりわけ身近に感じられて、応援に熱が入る。  シアトル日本商工会主催で先月半ば、女子バスケットボール日本代表チームの渡嘉敷来夢(とかしき・らむ)選手の壮行会が催され、その場で彼女の人柄に魅せられたからだ。  渡嘉敷選手は現在、WNBAのシアトル・ストームに在籍中。193センチメートルの長身とスピードを生かして日本で大活躍。アジア選手権を制し、そのMVPにもなった後、「自分より体格に恵まれた選手もいる中で、もっと向上したい」とストームと契約して2年目だ。同じポジションでドラフト1位の選手がストームに入団した今年は、昨年と比べて控えに廻り活躍の機会が減ったのが辛いところだが、「そのチャレンジを知った上で、今年も契約を決めました」ときっぱり。  会場からの質問には、かつて自分はネガティブ思考だったが、けがのためにバスケットボールが出来なくなった時期を経てポジティブ思考へと変わったと述べ、コート上では特に、現在バスケットが出来ていることに喜びと感謝を感じていると語った。  日本では映像や活字でその活躍ぶりが報道されて来た渡嘉敷選手だが、壮行会では、これまで知る機会のなかった茶目っ気たっぷりのユーモアや心遣い、チャレンジの心がグンと伝わってきた。笑顔の彼女のひとこと一言に会場は盛り上がり、散会の頃には出席者は熱烈な渡嘉敷フアンとなっていた。  最初に「メダルへの挑戦を前に、皆さんからパワーを貰えたらと思っています」と話していた渡嘉敷選手は、最後に、子供から大人まで100人以上の参加者が並んで作ったアーチを、時には腰を大きくかがめながら笑顔でくぐって送られた。  皆の応援を背に、五輪では存分にその力を発揮してほしいもの。  女子バスケットボールは、ABそれぞれ6チームでの予選リーグの後、両リーグの上位4位チームが16日からの決勝トーナメントに進出する。日本はグループA、アメリカはグループBだ。【楠瀬明子】

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