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Writer's pictureRafu Shimpo

写真家大塚勝久氏が個展:沖縄の美しい自然と人々を写す

八重山の風物詩である、由布島へ海を渡る水牛車

八重山の風物詩である、由布島へ海を渡る水牛車

 沖縄に在住し創作活動を続ける写真家、大塚勝久(おおつか・しょうきゅう)氏の作品20点を紹介する個展「「沖縄の美しい自然と島に住む真摯な人々の生活」が23日(土)、24日(日)の両日、レドンドビーチの「ウイメンズ・クラブオブ・レドンドビーチ」(400 S. Broadway)で開催される。写真展と併催し、沖縄の伝統工芸が紹介され、南蛮焼き作家の陶芸家大嶺信孝氏の作品10点と、琉球藍染めの城間正直氏のそれぞれの作品が展示される。

波照間島で眺める島民。沖縄の人々は、古来かから海のかなたの世界「ニライカナイ」を夢見て頑張ってきた

波照間島で眺める島民。沖縄の人々は、古来かから海のかなたの世界「ニライカナイ」を夢見て頑張ってきた

 イベントは、同県糸満市出身で2005年に「新ウチナー民間大使」に任命され、小東京で「上原旅行社」を営む上原民子さんが、同民間大使活動促進事業の一環として企画。北米沖縄県人会、糸満市と友好都市関係を結ぶレドンドビーチ市、レドンドビーチ姉妹都市協会が協力する。新ウチナー民間大使は、主に沖縄との交流の懸け橋となる活動を主に海外で展開し、世界で496人が活躍する。   イベントは、沖縄の自然と島に住む人たちの生活の中から生まれた素朴な人間性を写真展を通して感じるとともに、その生活の中から生まれた伝統的な陶器や自然の染料から生み出された琉球藍染、琉球漆器の伝統工芸を展示することで、先人から受け継がれた琉球文化と人間性あふれる生き方を紹介することを目的とする。イベントはまた、今秋に沖縄で開催される「世界ウチナーンチュ大会」の紹介を兼ねている。沖縄の自然と島に生きる人たちの営みを紹介することで周知を図るとともに、大会成功に向けた貢献への機運を高める。

お茶を飲みながら談笑する元気な竹富島の老婆

お茶を飲みながら談笑する元気な竹富島の老婆

 写真展では、大塚氏が08年に発表したカラー写真集「島の原風景—石垣島・八重山の島々」から厳選した作品20点が披露される。大塚氏が訪米してイベントに参加し、約40年におよぶ活動で撮影した島々の自然や、豊かに生活する古老などの表情をとらえた作品を披露し、沖縄の魅力を語る。  展示初日の午後2時から、琉球の舞踊と三線のエンターテインメントが披露され、開幕を祝う。24日午後1時から、大塚氏が講演する。写真展の入場は無料。開館時間は、両日とも午前10時から午後5時。  写真展の詳細は上原さんまで、電話213・680・2499。メール—  tamiko_uyehara@yahoo.co.jp  大塚氏のホームページ—  shokyu-otsuka.com  

沖縄の有人、無人の50島を巡り作品作りに励む大塚さん

沖縄の有人、無人の50島を巡り作品作りに励む大塚さん

大塚勝久 1941年大阪生まれ、那覇市在住。関西大学新聞学科、日本写真専門学校卒業。 72年沖縄と出会ったことから、80年フリーランス写真家として独立し、大阪から沖縄に移住した。以来今日まで40年余、自然、風俗、祭祀など八重山諸島を中心に有人・無人の沖縄50島の取材を続ける。 89年那覇市に沖縄専門の「オリジナルフォトライブラリー」設立、40年分の作品を揃えている。2013年「石垣島宣伝部長」(石垣市観光交流協会)、14年「美ら島沖縄大使」(沖縄県)に就任。著書は写真集「南の風」「うつぐみの竹富島」「八重山の風と光」など、共著を含め22冊。個展は日本全国で34回、米国で6回。ロサンゼルスは1999年に次ぎ今回で2回目。受賞は、沖縄県観光功労表彰(2006年、沖縄県知事)など。

大嶺信孝氏の作品「琉球南蛮自然釉壺」

大嶺信孝氏の作品「琉球南蛮自然釉壺」

大嶺信孝(陶芸家)  南蛮焼き作家、大嶺信孝氏は昭和20年那覇生まれ。第7回現代沖縄陶芸展金賞、第8回沖縄工芸工房展奨励賞、第8回アジア美術交友会展奨励賞、第32回国際公募アジア現代美術展奨励賞。 城間正直(藍染め染織家)  染織と陶芸を生業とする。1975年、染色家の栗山吉三郎に師事。80年那覇市首里に「いしみね工房」を設立。97年本部町いづみに琉球藍染と釉薬に藍を使用した陶芸の「藍風工房」を開く。98年日本現代美術協会会員となり、紅型や書を入れた画期的な藍染紅型を創作する。

琉球藍染 神秘的、温かみも

城間正直氏の作品「琉球庵」

城間正直氏の作品「琉球庵」

染めるたびに心躍る色合いの多様さの「紅型染め」、 そして刻々と変化する沖縄の海の色のように、甕(かめ)から布を出した瞬間、空気に触れ緑色からやがて藍色に変化していく神秘的な染物「琉球藍染」である。半年ほど経つと藍も色素がなくなり終焉(しゅうえん)を迎えるが、 それを焼き物「伊豆味焼」の上薬に活用して、器へと新しく生まれ変わる。  琉球藍は、沖縄の風土に育ち、香り高い庶民の色として広く親しまれてきた。沖縄県北部の本部町伊豆味を中心に各地で栽培され、沖縄の代表的な植物染料として製造・使用されてきた。琉球藍は、キツネノマゴ科に属する多年草の植物で、藍植物の色素の紺を主軸に数々の琉球織物、そして紅型が染め伝えられている。古くから心の通った美しさは今日の化学染料で量産されたものと違い、温かみのある染料として愛されている。

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