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Writer's pictureRafu Shimpo

創立100周年、盛大に祝賀:1世紀の節目を機に再団結

創立100周年記念の祝杯を挙げる國宗会長(中央)と町川さん(右)ら参加者

創立100周年記念の祝杯を挙げる國宗会長(中央)と町川さん(右)ら参加者

 1916年創立の南加香川県人会(國宗哲典会長、60会員)はこのほど、100周年記念祝賀会を参加者65人を小東京のミヤコホテルに集め催し、盛大に祝った。香川から県審議官と県議会事務局長ら総勢11人が参列し、母県との絆を強めた会員は、1世紀の節目を機に再団結し、さらなる発展に意欲を示した。【永田 潤】

県人会の思い出を振り返る山中眞知子さん(中央)

県人会の思い出を振り返る山中眞知子さん(中央)

 國宗会長によると、香川県人会の歴史をひも解くと1916年、35家族が集まり産声を上げた。20年に米国での豆腐作りの祖とされる「トモエドーフ」を県人8人で設立した記録が残っている。会員数を増やし発展したが、41年の日米開戦で休会を余儀なくされた。戦後は47年に「香川クラブ」として再発足。66年の金子正則県知事来訪により県との交流が活発化し、93年の東四国国体に県の招待で会員約20人が参加した。その後も香川県の物産展や県産品を使用した料理教室、食品展などを催したり、県から知事や副知事を招いて歓迎会を開き今日まで旧交を温めている。2009年に國宗さんが第9代会長に就任した。  祝賀会では、顧問で76年から33年間、会長を務めた町川秀雄さんが、近年の活動を紹介した。70年代半ばには50人ほどが所属し、新年会やピクニックを開くなど活発に活動。だが、会員数が徐々に減少したため、会費を無料にするなどし活性化を図り、会員宅での宴会も盛り上がったという。県との交流は、一行が南米諸国への経由でロサンゼルスを訪れた際に招いて始まった。町川さんは、他界した先人や役員について「世話になった」と振り返り、その他の裏方や世話好き、のど自慢など各人の名を列挙して活躍を紹介し、懐かしんだ。

海外移住の高齢者として、県から表彰を受ける池田敬一さん(右)

海外移住の高齢者として、県から表彰を受ける池田敬一さん(右)

 県出身の衆参議員5人と、県知事、坂出市長や他州在住の会員など多方面から届いた祝電が披露された。各人が県人会創立時の苦難を察し「県人会を心のよりどころとして尽力し、言葉の問題や日系人排斥、戦争など幾多の困難を乗り越えた」などと、たたえながら「ますますの発展を願う」などと前途を祝した。  浜田恵造県知事の祝辞を、工代祐司審議官が代読し、國宗会長をはじめとする会員に向け「会員相互の絆を深め、郷土香川とロサンゼルスをつなぐ懸け橋となり、郷土の発展に尽力した」と称賛。県人会と県の交流について「互いを思い遣る気持ちは、いつの時代も変るものではない」と強調した。県人会との交流をさらに深め、友好関係をいっそう強化する考えを示し「次の100年に向けて、香川と日本との友好親善にいっそうの力添えをいただきたい」と願った。  来賓が祝辞を贈り、会員の努力をたたえ、会のさらなる発展を祈念した。高田良徳県議会副議長は、県人会について「1世紀以上の長きにわたり強い結束力を持って切磋琢磨し、現在の確たる地位を築いた」と評価した。「日米友好親善の懸け橋とし、われわれと手を携え、両国と両地域のために、なおいっそうの支援と協力をお願いしたい」と話した。

高松市の西植田小学校に体験入学したことを発表するホーン村尾舞弥さん

高松市の西植田小学校に体験入学したことを発表するホーン村尾舞弥さん

 千葉明総領事は「県人会の伝統を守り、100年間の長きにわたり活動を保ち続けることは容易ではない」と力を込め、「戦前、戦後、さまざまな試練を克服し、郷土愛を共通の絆としながら今日の日系社会の礎を築いてきた努力に感謝し、心からの敬意を表したい」とたたえた。森ジョージ・南加県人会協議会会長は、県人会協議会に加盟し100年を超える歴史を持つ長寿県人会について紹介し、香川は23番目にその仲間入りしたとし「本当におめでとうございます」と歓迎。「100年間、苦労と努力を重ねてきた。次の100年に向けて頑張ってほしい」とエールを送った。  県から、海外移住の高齢者として会員3人に、表彰状と記念品が贈られ、県人会には100周年の祝い金が國宗会長に手渡された。サンディエゴ在住のホーン村尾舞弥さん(11)は夏休みを利用し、曽祖父が99年前に卒業した高松市立西植田小学校に体験入学したことを報告。米国の文化や習慣、学校生活を紹介したり、スナックを振る舞って交流を図り「みんなに優しくしてもらい楽しかった。また行きたい」と述べ、県人会の次の世代の担い手に、期待を込めた大きな拍手が送られた。  香川芳文県議が音頭をとり、香川の地酒で乾杯。食後は、各会員が自己紹介し、出身地の町や市、小中学校など地元の名が挙がるたびに盛り上がった。余興として、町川さんが1曲歌い、國宗会長はハーモニカを演奏し、祝典に花を添えた。

高田県議「県人会から助言をいただきたい」 國宗会長「一番小さい県の魅力を発信する」  高田県議会副議長は、祝賀会について「会員それぞれが『私は丸亀』『私は坂出』『私は三本松』などと、自分のルーツを大事にし、誇りに思っていることが分かった。(香川に帰って)これだけ香川のことをずっと思い遣っている熱い気持ちを伝えたい」と述べ、今回の訪米で得た

高田県議会副議長(右)から贈られた100周年記念の祝い金を披露する國宗会長

高田県議会副議長(右)から贈られた100周年記念の祝い金を披露する國宗会長

成果を強調し「施策に反映させたい」と語った。グローバルな交流に対応するために地方行政としての「自治体外交」に力を注ぐ考えを示し、今後の県人会とのつき合い方は「せっかく県出身者の方々がロサンゼルスに住んでいるので関係を大切にし、アメリカでの県産品の紹介・販売などの際にもアドバイスをいただきたい」と希望した。  香川県人会の現在の活動は、新年会と夏の会食を催して会員間で親睦を深めている。2000年代の初めまでは活発だったが、ここ数年は会の高齢化や会員の他界に伴い、会員数は減少傾向にある。國宗会長は、100周年を活性化の好機ととらえ「これを機に、活動を活発化させたい」と意気込み、駐在員など県出身者の入会の勧誘に努め、メンバーの増強を図った。記念式典は、若いメンバーを新たに加え活気づいた。  國宗会長は、記念式典について「若い人が参加し、県との絆を確認し、創立100周年を祝うことができてよかった」と、胸を張った。今後の活動は「県との良好な関係維持に努めて、若手県民の裾野を拡大して親睦を深める楽しい県人会を目指す。日本で一番小さい県の魅力を発信したい」と抱負を語った。  南加香川県人会の問い合わせは、國宗さんまで電話818・399・3992または818・590・2880。メール— hkuni328@gmail.com

記念撮影に納まる南加香川県人会創立100周年を祝った参列者

記念撮影に納まる南加香川県人会創立100周年を祝った参列者


県から高齢者表彰される山崎ハルさん(写真左)と岡内千恵子さん(同右)

県から高齢者表彰される山崎ハルさん(写真左)と岡内千恵子さん(同右)


歌を披露する町川さん(写真左)とハーモニカを演奏する國宗会長(同右)

歌を披露する町川さん(写真左)とハーモニカを演奏する國宗会長(同右)


自己紹介をする香川県人会の会員

自己紹介をする香川県人会の会員


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