南加地区で今夏停電の可能性:ポーターランチのガス漏出事故で
ポーターランチの住宅地と後方に広がるガス会社の施設があるサンタ・スサナ・マウンテン。漏出事故の影響で今夏、南加地区で停電が発生する可能性が指摘された
ロサンゼルス北部ポーターランチにある南カリフォルニア・ガス・カンパニー(SoCal Gas Co)のガス貯蔵施設で4カ月近くにわたり大量のメタンガスが漏出していた問題で、南カリフォルニア地区が今夏、およそ14日ほど停電になる可能性があると指摘されている。カリフォルニア州エネルギー当局が5日、発表した。【吉田純子、写真も】
昨年10月23日に発生したガス漏出事故で、およそ10万7千トンのメタンガスが漏出。今年2月18日に漏出の停止が発表されたが、現在、ガス会社は施設敷地内にある114のガス貯蔵井戸の安全検査が完了するまで、ガスの注入を禁止されている。 加州当局は、ガス貯蔵井戸の一部を閉鎖した場合、南加地区におけるガス供給へのインパクトを調査していた。貯蔵していたガスが3カ月以上にわたって大量に漏出していたことで、今夏は南加地区が停電に見舞われる可能性が浮上し、ガス不足の危険性も否定できないと当局は指摘している。 カリフォルニア公益事業委員会によると、今夏が例年より暑くなる場合は停電の危険性はさらに高まるという。 停電の影響を受ける可能性がある地域はロサンゼルス郡のほか、サンディエゴ郡、リバーサイド郡、サンバナディーノ郡、オレンジ郡など。夏だけでなく、年末にも最大で18日におよぶ停電も発生する可能性があると指摘されている。 ポーターランチにあるアリソキャニオンとよばれる同施設は、西部で最大規模のガス貯蔵施設となっている。 現在同施設の稼働は制限されているため、ロサンゼルス市電気水道局などほかのエネルギー供給機関にも今後負担がかかる可能性もでてきている。 今回の発表を受け、消費者団体からは過剰に停電の危険性を指摘しているとして批判の声も聞かれる。 米史上最大規模のガス漏出事故となった今回の問題をめぐり、今もポーターランチの多くの住民や環境問題専門家が、老朽化した井戸が多数ある同施設の閉鎖を求めている。
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