南加県人会協議会:恒例の親睦演芸会を開催
今年の奨学金受賞者(後列)と堀之内総領事(前列中央)、南加県人会協議会の小林会長(前列左から2人目)と関係者ら
南加県人会協議会(小林正三会長)は18日、小東京のアラタニ劇場で第36回親睦演芸会を開催した。各県人会のメンバーが民謡や舞踊を披露したほか、日本文化の継承に励む日系子弟を支援するため贈られる育英奨学金の授与式も行われ、今年の受賞者10人が発表された。日本からの特別ゲストとして歌手の多岐川舞子が美しい歌声を披露し、観客を盛り上げた。
藤娘を披露した徳島県人会の子弟
プログラム第1部では、各県人会の有志が民謡や舞踊、歌謡曲などを披露。今年は福岡、和歌山、徳島、群馬、鹿児島、熊本、福島、東京、滋賀、埼玉、沖縄の各県人会のメンバーが日頃の練習の成果を発揮した。
トリを飾ったのは堀之内秀久・在ロサンゼルス日本国総領事。司会の西タックさんによると、総領事自らステージに立ち演目を披露するのは同演芸会始まって以来初めて。堀之内総領事は坂本九が歌った名曲「明日があるさ(ウルフルズ・バージョン)」のギターの弾き語りを披露し、会場を沸かせた。
当日の会場運営やステージ設備の設置など、舞台裏では各県人会のメンバーや各会長自らが率先して行っていた。
育英奨学金は日本民謡や書道、舞踊、武道など日本の伝統文化の継承に励むこれからの日系社会を担う若者に贈られる。
今年の受賞者は、出木谷愛里さん(三味線・埼玉県人会推薦)、岡村辰介さん(日本語学校修学・鹿児島県人会推薦)、中西茜さん(日本民謡踊り・和歌山県人会推薦)、赤嶺多美子さん(琉球箏曲、三味線・沖縄県人会推薦)、プレホダ義男さん(琉球箏曲、三味線・沖縄県人会推薦)、冨名腰義人さん(空手・沖縄県人会推薦)、天野翔太郎さん(剣道・広島県人会推薦)、林衿菜さん(日本語・道産子会推薦)、丸茂弥生さん(絵画・道産子会推薦)、安田泰也さん(書道・関西クラブ推薦)の計10人(順不同)。それぞれに表彰状と奨学金の1千ドルが手渡された。
日本舞踊「長唄・竹」を披露した滋賀県人会のメンバー
小林会長は「親睦演芸会の収益が、奨学金として受賞者に授与されています。演芸会が開催できるのも、日系社会のみなさまの協力のおかげです」と述べ、来場者に感謝の言葉を述べた。
受賞者を代表し安田さんは「12年間書道を続けてこられたのも教えてくれた先生のおかげ。これからも精神誠意頑張ります」と謝辞を述べた。
第2部は日本からの特別ゲストで京都府出身の演歌歌手・多岐川舞子のステージ。秋を意識した紅葉の着物に身を包み華やかに登場した。
ロサンゼルスに来るのは今回が初めてだという多岐川は、「ひとの心に響く歌手」をモットーに活動を続けている。自身の曲「津軽絶唱」「京都…発」「噂の真相」「七尾しぐれ」のほか、昭和の名曲「越後獅子の唄」「東京ブギウギ」「上海帰りのリル」を披露し、しっとりとそして時に軽快に歌い上げ、観客を魅了した。
途中、ステージから降りて観客と握手しながら歌い、客席を大いに盛り上げた。最後はアンコールに応え、自身の曲「あんたの海峡」を披露。「また戻ってきたら温かく迎えて下さいね」とLAの観客に呼び掛け、熱い声援に応えていた。【吉田純子、写真も】
美しい紅葉の着物を身にまとい登場した多岐川舞子
「明日があるさ」のギターの弾き語りを披露した堀之内総領事
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