南加県人会協議会:森ジョージ氏、会長に就任
森会長(左端)とともに就任宣誓を行う新役員たち
南カリフォルニアで活動する39県人会が加盟する南加県人会協議会は14日、モンテベロのクワイエットキャノンで新役員就任式と親睦会を開催した。各県人会の代表者や来賓などおよそ200人が出席する中、今年会長となった森ジョージ氏をはじめ新役員の就任を祝福し、同協議会の益々の発展を願った。
日本語を話さない3世、4世にも県人会協議会の活動内容やミッションを英語で伝えていきたいと話す森会長
新役員の宣誓式は弁護士のシェフィールド・シェーニー氏立ち会いのもと行われた。前会長の小林正三氏は任期中、日系コミュニティーの多くの人に支えられたと話し、役員をはじめ日系コミュニティーの協力に感謝の言葉を述べ、新たに就任した森会長に陣頭指揮を託した。
来賓を代表して堀之内秀久・在ロサンゼルス日本国総領事をはじめ、南加庭園業連盟の藤谷征一会長、南加日系商工会議所のサンキ・キティ会長が祝辞を述べ、「39の県人会が加盟する大きな団体をとりまとめるのは大変なこと。しかし新会長の今後の活躍に期待し、成功を祈る」とエールを送った。
前会長の小林氏をはじめ前年度の役員に対する表彰も行われ、感謝の盾と記念品が贈呈された。余興では有志によるカラオケと、歌のインストラクター新原由美さんが歌声を披露し会場を盛り上げ、最後は松豊会の会主・佐藤松豊が森会長の故郷宮崎県にちなみ同県の民謡をアカペラで歌い上げ、就任を祝福した。
新会長の森氏は宮崎県出身。1960年、10歳の時に家族とともに宮崎県から渡米しサンペドロ港に到着した。その後ニュージャージー州に住んでいた叔父のもとで4年間暮らした。
県人会協議会が発足した同年の1964年に寒いニュージャージーから温かい加州へと移った。森氏の父親は戦前にカリフォルニア州で暮らしていたことがあったという。
コンピューター会社に就職した森氏だったが、ベトナム戦争勃発とともに徴兵にかかった。「しかし勤めていた会社が米軍の下請け業務をしており、会社側が徴兵されるよりコンピューターの仕事を通して国に貢献するよう政府に働きかけてくれたのです」と話す。現在は保険代理店を経営するかたわら、県人会協議会の活動に携わる。
森氏が所属する宮崎県人会は今年40周年を迎える。「1976年に近所にいた同郷の日系人と懐かしい思い出話に花が咲き、そこから県人会を作ろうと始まったのです」。20年ほど前には同県人会の会長も務めた。
日英両語を話し、この日の就任あいさつは英語で行った。背景には日系社会以外の団体や日本語を話さない3世、4世にも今後、県人会協議会の活動内容やミッションを英語で伝えていく決意があった。「英語で情報発信していくことで県人会協議会の活動の発展にもつながっていくと思うのです」
今年就任した副会長も10人中3人が英語のみを話す。「今年は県人会協議会をPRしていくことに重きをおいていきたい。待っているだけでなく、若い世代にも積極的にアプローチし、奨学金制度の紹介や、県人会協議会を通して日本文化を知ってもらえる機会を作っていきたい」と力を込めた。【吉田純子、写真も】
森会長(左)から感謝の盾を贈呈された小林前会長
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