南加福岡県人会ピクニック:日系子弟に奨学金授与
田島喜八郎・奨学金部長(右から)、同県人会の宮里会長、婦人会の内山穂波会長(左端)から奨学金が贈られた日系子弟
南加福岡県人会(宮里勝吉会長)は23日、毎年恒例の夏のピクニックを開催した。会員家族や来賓などおよそ200人が集まり、同県人会メンバーへの奨学金授与式が行われ、大学進学を控えた日系子弟に奨学金が授与された。福岡県主催の各種留学プログラムも紹介され、参加を呼び掛けるとともに、メンバーらは各自持ち寄った料理のほか、出来立てのバーベキュー、焼きそば、かき氷などに舌鼓を打ち、交流を楽しんだ。
テーブル一面に並べられた料理を選ぶ参加者たち
昨年までブエナパーク市のジョージ・ベリス公園で行われてきた同県人会のピクニックだったが、今年から場所をラパルマ市のラパルマ・セントラル公園に移し行われた。
今月上旬に九州北部を襲った豪雨を受け、ピクニックでは義援金が呼び掛けられ、大きな被害を受けた福岡県朝倉市の犠牲者に黙とうを捧げた。
宮里会長は近年、人数の減少などから他県人会と合同でピクニックを開催する県人会もあることに触れ、「最近では単独でピクニックを開催するところも少なくなってきていますが、われわれが単独でピクニックを開催できるのもみなさんの協力のおかげです」と話し、メンバーたちの参加に感謝の言葉を述べた。
同県人会では毎年ピクニックで奨学金授与式を行っている。厳正な審査のもと、今年高校を卒業し大学進学を控えた日系子弟に奨学金を贈っている。
福岡婦人会と合同で行われ、婦人会からはブランドン・タダシ・チンさん(カリフォルニア州立ポリテクニック大学ポモナ校・土木工学専攻)、ローレン・アケミ・フカエさん(カリフォルニア州立ポリテクニック大学サンルイスオビスポ校・航空宇宙工学専攻)、ジュリエット・メグミ・オオタさん(カリフォルニア大学バークレー校・微生物学専攻)、ブランドン・タケウチさん(エルカミノカレッジ・ビジネス専攻)、ブライアン・マサヒロ・ウチヤマさん(ニューヨーク大学・写真専攻)の計5人。
同県人会からは以上5人のほか、アンドリュー・ミヤザトさん(カリフォルニア大学サンディエゴ校・社会学専攻)の計6人に授与した。
6人は将来への希望に胸ときめかせながら、このような機会を与えてくれたメンバーに感謝の言葉を述べた。
福岡県への短期留学プログラムに参加した日系4世のエンドウさん
今月7日から18日までの約10日間、福岡県への短期留学プログラムに参加した日系4世のミユキ・エンドウさん(11)もピクニックに参加。同プログラムは福岡県が費用を負担する短期留学プログラムで、3泊4日のホームステイ体験のほか、学校訪問、現地の生徒との交流、そして日本の食文化にも触れられる機会となっている。
「福岡の人々はとても親切でした。ブラジル、パラグアイ、メキシコ、ペルー、ボリビア、コロンビア、カナダなど世界のさまざまな国から来ていた同世代の子たちとも友達になれ、貴重な経験ができました」と話し、有意義な滞在になったようだった。
ピクニックでは各自持ち寄った料理がテーブル一面に並べられ、メンバーお手製のソースを使ったバーベキューのほか焼きそば、かき氷が用意され、参加者はおいしい料理を堪能。食後は福引きや、松前会による民謡、カラオケ、運動会、小倉祇園太鼓の演奏が行われ、メンバーらは交流を深めた。
福岡県と同県人会では2018年度県費留学生を募集している。費用は全額県が負担し、県内の大学に留学できる。期間は18年4月から19年3月までの1年間。両親のいずれかが福岡県出身者で、大学卒業者または17年6月に大学を卒業した人を対象としている。申し込み期限は今年8月31日までとなっている。【吉田純子、写真も】
ドーナツ食い競争に参加した子どもたち
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