外務大臣表彰:比嘉朝儀氏が受賞
堀之内総領事(右)から表彰状が手渡された比嘉氏
在ロサンゼルス総領事館管轄区域在住者で、北米沖縄県人会顧問の比嘉朝儀氏への外務大臣表彰式が9月25日、ハンコックパーク地区にある在ロサンゼルス日本国総領事公邸で行われた。日系社会における日本語教育と日本文化の継承と発展に貢献したことが認められ、堀之内秀久・在ロサンゼルス日本国総領事から表彰状が手渡され、同席した家族や日系社会の代表者らから祝福を受けた。【吉田純子、写真も】
活動の場を与えてくれた日系社会に感謝の言葉を述べる比嘉氏
比嘉氏は1975年にLA市内の日本語学校「羅府上町第二学園」でボランティアを始め、その後15年間、同校の運営を支え、日本語教育を通して青少年の育成に貢献してきた。
また当地の日本語ラジオ局で11年間にわたり番組のパーソナリティーを無償で務め、日本語放送の維持に貢献するだけでなく、沖縄県出身の同氏は番組で沖縄の言語や文化の紹介も行い、言葉や文化の伝承に力を注いできた。
日系社会においても北米沖縄県人会や南加県人会協議会の会長を務め、県人会協議会の会長在任中に発生した東日本大震災の際には、被災地支援のため日系社会に義援金募集を働きかけるなど尽力した。
表彰を受け同氏は、「活動の場を与えてくれた日系社会の協力と支援に感謝したい」と述べ、いつも同氏の活動を陰で支えた妻の博子さんと長男、次男にも「ありがとう」と感謝の言葉を贈った。
元南加庭園業連盟会長の小山信吉氏は、沖縄の言葉で「沖縄人」を指す「ウチナーンチュ」に対する思いが比嘉氏は深く、「思うだけでなく心のこもった行動を実行に移し、奉仕の心が認められた表彰だと思う」と述べ、同氏の受賞を祝福した。
南加日系商工会議所の青木義男会頭、南加県人会協議会の小林正三会長、北米沖縄県人会副会長のビクトリア西内氏も祝辞を述べ、比嘉氏のこれまでの活動をたたえるとともに、これからは次世代を作り上げてほしいとエールを贈った。
比嘉氏は02年から当地で沖縄の言語を教える「ウチナーグチ教室」を開設。近年は沖縄文化に関する講演活動も行っている。
琉球移民を先祖に持つ世界各地のウチナーンチュが、5年に1度集う「世界のウチナーンチュ大会」では、06年の大会時に沖縄県から民間大使に任命され、沖縄のイメージアップを託された。
堀之内総領事(左)と乾杯する比嘉氏(中央)と妻の博子さん(右)
自身の父親が沖縄で三線や琉球舞踊の師範であったことも、同氏の活動に影響を与えたと振り返る。「やはり血は争えず。米国に来た当時、沖縄のことを知らない人が多いことに驚いたのです。沖縄を知ってもらうには、沖縄の芸能や文化を知ってもらうことが一番の方法だと思ったのです」。世界の人に沖縄の文化を知ってもらいたい。その思いが同氏の活動の原動力となった。
「私のミッションはまだ終わっていません。受賞を励みに、日系社会の役に立てるよう、今後も精進していきたいです」と話し、受賞を喜んだ。
外務大臣表彰は、国際関係のさまざまな分野で活躍し、日本と諸外国との友好親善の促進に貢献した個人および団体に、その功績をたたえることを目的に授与している。
祝福に訪れた出席者とともに記念撮影する比嘉氏(前列中央)
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