太田会長が6年目続投:伊勢志摩サミットをPR
三重県人会の新年会で親睦を深めた会員ら。右から4人目が太田会長
南加三重県人会は1月31日、2016年度の総会をモンテベロのクワイエット・キャノンで開き、6年目となる太田勉会長の続投が決定した。親睦会には61人が参加し、5月に三重で開催される「G7伊勢志摩サミット」をPRして、三重の知名度アップに貢献することを誓った。
今年度の役員候補者が紹介を受けると、会員は期待を込めた大きな拍手を送り承認し、新役員ha正式に就任した。
新年のあいさつを行う太田会長
太田会長があいさつに立ち、113年目の新春を迎えた県人会について「連綿と火を消すことなく続け、毎年新年会を開催できることをとてもうれしく思う」と述べた。今年は、伊勢志摩国立公園が国定となって70周年にあたる上に、伊勢志摩サミットが開催されることから「何か不思議な縁を感じている」と話した。知事から送られたサミットのPRポスターを披露しながら「われわれの三重県で世界的なサミットが開かれるのは誇りにすべきことで、伊勢志摩サミットが行われる三重県を宣伝してほしい」と呼びかけた。
太田会長は、サミットが行われる志摩半島から、渡米移民が多かったことにふれ、17歳の若さで志摩半島から南加に最初に移住した1人の女性、伊東里きの逸話を紹介した。1895年、片田村に帰郷した里きに伴われ海を渡った県人7人の成功に影響を受け、移民ブームが始まった。明治末期から大正初期の米国からの送金の総額は、村の1年の予算の3倍に達したという。
新年の祝杯を挙げ、昼食へ。第2式の余興は、福引きとフラメンコダンスを楽しんだ。福引きは、三重に縁のある3企業と会員が寄贈した、炊飯器やたこ焼き器、スパの利用券など、さまざまな品々が用意され、当選番号が呼ばれる度に歓声が上がった。ステージでは、プロのフラメンコダンサー3人が軽快な音楽に合わせて華麗な舞とステップを披露。参加者をステージに誘い入れ、踊って盛り上がった。
ステージに上がり、フラメンコを楽しむ参加者
訪米中の三重大学副学長で同大学院医学系研究科の西村訓弘教授が、健康に関する講演を行った。西村教授は、長年研究する三重の特産物の海藻のアオサに含まれる「ラムナン」について説明。ラムナンは、がん抑制や免疫力を高める作用や脂肪の蓄積抑制が認められており、ラムナンを与えたゼブラフィッシュの実験で、脂肪が貯まった肝臓から脂肪を抜く結果が得られたことを紹介した。参加者に向け「体の中で将来、がん細胞になる要素が作られているかもしれないので気をつけてほしい」と、予防を訴えた。
西村教授率いる研究チームは、抽出したラムナン硫酸を応用する研究に力を注ぐとともに、地元三重の江南化工社とコラボレートし、サプリメントの開発・製品化を進めている。教授は、江南USA社の招きでガーデナで講演会を行い、多くの県人会員が参加した。県人会は、三重に縁のある企業と大学、県庁の「産学官」との結びつきを重視し、今後も今回のような米国進出企業の支援や、三重の特産物の紹介に努めるという。
太田会長は、長い県人会史の中で2番目に長い6期目を迎えた。今年の抱負を「会員をできる限り増やし、みんなで親睦を深めたい」と話した。
三重県人会の今年度の活動は、新年会を皮切りに、8月のピクニック、9月の物故会員の追悼法要と敬老感謝ランチョン、11月の2泊3日のラスベガス旅行を予定する。【永田潤、写真も】
新年を祝い乾杯する参加者
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