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Writer's pictureRafu Shimpo

小池都知事にエール

 「後だしジャンケンはしません」と早々と出馬し、公認せずとの反発もものかは、当選を決めた小池百合子都知事。就任1カ月あまりの活動は、まるで池井戸(「半沢直樹」などの原作者)ドラマを見ているようなワクワク感さえ感じさせる。と言えば不謹慎であろうか。まず第一に、安全性などに問題ありと、築地市場の移転延期を英断。その跡地の道路整備の遅れを懸念する声には、東京オリンピックには間に合わせますとはっきり応えている。聞いていてスカッとする。  移転先の豊洲市場の土壌から高濃度の有毒物質が検出されたため、その部分をけずり、全体に盛り土をする事になっていた。が主要建物の床下部分には盛り土がなく、しかも地下空洞にはくるぶしまでの水たまりが出来ていることが発覚した。報道陣を集めて検証したテレビの画面で、リトマス試験紙が強いアルカリ性を示していた。これは漂白剤などと同レベルという。それが有害かどうかは、検査結果を待たなければというが、記者の中にその水を持ち帰り独自にさっさと検査するような機転があれば…とドラマ好きの私は空想してしまう。  盛り土に関して、当時、都知事であった石原慎太郎氏は、知らなかった、ダマされた…と、そして小池知事に「しっかりやって下さい」とエールをおくっているが、彼女が立候補した時、厚化粧の女とこきおろしたと聞くと、これも皮肉なドラマである。一体誰が勝手に計画変更したのか。不思議なことがあるものだ。  移転問題は今後どのような展開になるのか想像もつかないが、「崖から飛び降りるつもりで…」と出馬時に言った小池さんの言葉にこめられた意味が今さら分かり、その問題の大きさに思いを馳せると、ため息が出る。  公約だった自身の給与半減の表明、全職員の残業ゼロを目指すなど、次々と改革の内容が発表されているが、いずれも分かりやすく、話は「見え」やすい。  何も恐れず突き進むその行動力は、しばられるもののない潔(いさぎよ)さなのか。この人に「正義の味方」の言葉を重ね合わせてしまう。私は東京都民ではないけれど、決して圧力に潰されず頑張って! とエールを送りたい。【中島千絵】

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