尚道会南加地区:秋季吟詠大会を開催
尚道会本部理事長に就任し、あいさつする宇都国瑲氏(手前中央)。壇上は南加地区理事長の大迫氏
国峯流詩歌吟詠・峰月流吟舞尚道会(大迫国浄・南加地区理事長)の秋季吟詠大会が9月25日、ロングビーチ市のハーバー日系人会館で開催された。およそ25人の吟士が参加し、詩吟を始めたばかりの吟士から、吟道40年以上の吟士まで一堂に会し、日頃の練習の成果を披露した。
同会は毎年春と秋に吟詠大会を開催している。南加地区にはシールビーチ、ニューポート、モントレーパーク、ロングビーチ、コスタメサ、サウスベイ、日蓮の7支部があり、吟士たちは各師範のもと、練習に励んでいる。
今大会には北加地区のサリナス支部に所属し、尚道会本部理事長に就任した宇都国瑲氏も出席。「詩吟は日本の伝統文化。絶やすわけにはいきません。みなが協力して会を盛り上げていってください」と述べ、南加地区の吟士を激励した。
吟詠大会では無号から順に初伝、中伝、奥伝、皆伝、総伝、準師範、師範と吟じられた。
奥村国鉦作「佐渡の恋歌」を吟じる吟道およそ40年の真中国こうさん
「あと2カ月で92歳になります」。元気な姿で準師範の部で奥村国鉦作「佐渡の恋歌」を吟じた真中国こうさんは吟道およそ40年。幼少の頃から日本舞踊を習い、吟詠に合わせて舞う「吟舞」に興味をもったのがきっかけで詩吟を始めた。 詩吟を通して日本の歴史や文学を学ぶことができ、続けるにつれ楽しくなっていったという。「私は日系2世なので漢字は読めませんが、平仮名で詩の内容を理解しています」と話す。 「詩吟を習っているからこそ日本の伝統や文化を知ることができた。もし詩吟を始めていなかったらここまで日本の歴史を知ることはなかったでしょう。これからも末永く続けていきたいです」と力を込めた。 大迫理事長はメンバーの高齢化と会員数の減少を危惧する。その一方で、「詩吟は複式呼吸をすることで大きな声を発し体にも良いといわれています。詩吟に興味があったら気軽に試してみてもらいたい」と話し、ひとりでも多くの人の参加を呼び掛けた。【吉田純子、写真も】
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