山火事でハースト城閉鎖:3万エーカー超焼失
サンルイスオビスポ郡サンシメオンの観光名所「ハースト城」付近にまで山火事が迫り、現在同施設は閉鎖されている。写真はハースト城からの眺め
ロサンゼルスから北西およそ180マイルに位置するセントラルカリフォルニアのサンルイスオビスポ郡サンシメオンで山火事が発生し、22日までに3万1644エーカーが焼失。家屋48棟が全焼した。この山火事の影響で付近にある観光名所「ハースト城」も閉鎖された。【吉田純子、写真も】
カリフォルニア州森林管理防火局によると山火事は13日に発生。消防隊員3785人、消防車311台、エアタンカー7機、消火ヘリコプター14機を動員し消火作業が行われているが、22日現在までの鎮火率は35%。
付近の住宅、建物などおよそ300棟が火の手にさらされている。これまでに1人が負傷。出火原因は分かっていない。
カリフォルニア州の観光名所として有名な「ハースト城」。現在は山火事の影響で閉鎖されている
ハースト城は新聞王として知られる故ウィリアム・ランドルフ・ハースト氏が現在の金額に換算するとおよそ5億ドルを投じて1919年から47年にかけて建てた豪邸。当時のハリウッドスターが頻繁に訪れ社交の場として活用されていたことでも有名。ハースト氏の死後、豪邸はカリフォルニア州に寄付され、58年から一般公開され、豪邸内部のほか庭園や所蔵品なども見物できる。 一方、サンバナディーノ山脈とサンガブリエル山脈の間に位置する峠「Cajon Pass(カホパス)」付近で16日から続いていた山火事で21日、周辺住民に発令されていた避難命令が解除された。 今回の山火事でおよそ3万7千エーカーが焼失。家屋105棟、建物216棟が全焼した。消防隊員1223人のほか、消防車102台、消火ヘリコプター9機が出動し大規模な消火活動が行われ、22日までに89%が鎮火。フリーウエー#15の閉鎖も解除された。 カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は16日に非常事態を宣言。付近のフリーウエーや一般道は閉鎖され、周辺の学校区では休校措置がとられていた。 加州では現在6カ所で山火事が発生している。気温の上昇と強風、5年におよぶ干ばつによる乾燥も影響し、各地で消火活動は難航し、現在1万人以上の消防隊員が消火作業に当たっている。
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