平和の尊さを見つめ直す
映画業界向けのプロ機材やコンピュータソフトなどを一堂に集めた見本市が先日、ハリウッドの大手配給会社のスタジオで開催され、友人に誘われるがままに足を運んだ。さして、イベントには関心はなかったが、発表されたばかりの一眼レフカメラがお披露目される、との甘い誘いに乗った。 イベントは、商品やサービスの売り込みはもとより、業界人同士の意見・情報交換や人脈を広げるホットな場を提供する重要な役割を務めていて、参加者の真剣さが伝わってきた。また、各種同業者の大小の集会や、セミナー、ワークショップなどが各所で開かれ、およそ200人収容できる会場は、満員御礼の状態。皆が、5、6人のスピーカーの話に耳を澄まし驚いた。 私が新聞掲載の取材で使うプロ機材は、プロアマ問わず、一般の誰もが購入できる。一方のシネマ用機材は、全くのプロ向けで、1台10万ドルを超えるお値段の代物には圧倒された。目当ての一眼カメラを触ったものの、重量感のあるシネマ用の数々を目にした後では、みすぼらしく思え、嫌な気分を味わった。 スポーツ選手などが体に装着して撮影する耐震、防塵、防水性に優れた小型カメラは進化を遂げ、目を引いた。その小型カメラを搭載して空を飛ぶ無人機ドローンの一角が設けられ賑わい、上昇する人気を物語っていた。 ドローンの種類は、さまざま。手の平をヘリポート代わりに離陸、着陸し、手乗り文鳥のように飛ぶ小さな機種があり驚かされた。ドローンを駆使し、撮影領域をますます広げてくれることに期待したい。だが、多様な機能を備える半面、誤った目的に用いる使い手もいて、悪者扱いされることがあり残念に思う。 このイベントで思ったことが、2点あった。まず、インターネットの無料ニュースに押され不振の新聞業界とは裏腹に、映画業界の活況を肌で感じたこと。次に、ドローンは兵器ではなく、映画のロケ地や被災地などでの活躍を、と願ったこと。今年は、戦後70周年の節目であることもあり、私にとって平和の尊さを見つめ直すいいイベントでもあった。【永田 潤】
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