応援したい気持ちの半面
サッカー界最年長の三浦知良はJ2ながら、48歳での奮闘が称賛され、ファンからは「キング・カズ」と、いまだに崇められている。私もその1人だったが、野球評論家の張本勲さんの酷評「もうお辞めなさい」で、考えを少し変えられた。 野球界ではドジャースで投げ、地区優勝に貢献した斎藤と黒田は他球団に移籍後、ともに40歳を過ぎてから母国に復帰した。斎藤はけがに見舞われ、思うような活躍ができず今季限りの引退を決意。「お疲れさま」と言いたい。黒田は春先に好調を維持し「さすが」と思わせた。ところが、こちらもけがで戦列離脱があり、本来の実力が結果に表れていない。 プロ野球はシーズン終盤を迎え、引退を表明する選手が続々と出てきた。監督兼任の谷繁、和田、小笠原、谷、高橋は、皆40歳を過ぎている。「まだ現役でいたのか」などと驚き、かつての活躍を懐かしむ人もいるだろう。現役最年長の山本昌は、なんと50歳。重ねた年の数とは真逆に、近年の成績の数字は低い。落合ゼネラルマネジャーは、引退について「お前が決めろ」と言ったそうだが、甘い感じがしてならない。 一方、こちらの大リーグでは、頑張っているおじさんがいて紹介したい。エンゼルス時代にサイ・ヤング賞を受賞したドミニカ出身の42歳コローン投手は、今季ここまで14勝。チームの勝ち頭は、驚異的な31回連続無失点を記録し、42歳以上のメジャー記録を塗り替えたほどだ。練習の虫で、性格がよく、昨年乳がんで他界した母親思いだった。墓前に捧げるのは、ワールド・シリーズ制覇だろう。 そして、もう1人忘れてならないのが、殿堂入りが確実視されているイチローだ。過去3年間、出場機会に恵まれず、ファンも歯がゆい思いをしていることだろう。来季も現役を続け、ぜひともメジャー通算3000安打を打ってもらいたい。 ベテランが活躍するのは、同年代のファンに勇気を与えてくれ結構なこと。だが、過去の実績から起用され中途半端な結果だと、伸び盛りの若手のチャンスを奪い成長を阻害しかねない。応援したい気持ちは強いが、「もうお辞めなさい」が半面にある。【永田 潤】
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