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Writer's pictureRafu Shimpo

懇親会で協力し、3席披露:小川社中と好連携、50人もてなす

小川邸の茶室で開かれた茶会。奥左から半東の小島師、亭主の坂井さん、正客の小泉顧問

 米国での茶道文化促進の援助と会員の親睦を目的に活動する裏千家カリフォルニア今日会は6月30日、同会会長を務めるパロスバーデスの小川勝義さん宅で開かれた懇親会に参加して協力し、点前を披露した。3席を設け、ゲスト約50人に薄茶でもてなした。

医師や実業家などを招いた席で、干菓子を振る舞う小川社中のメンバー

 今日会は、故小泉巌さんが発起人となり京都の本部から1981年に承認された男性会員だけで構成する。年3回の活動は、茶道の普及のための親睦茶会や裏千家ロサンゼルス淡交会の活動費集めのためのチャリティー茶会を催すが、会長を長年務めた金井紀年さんが昨年他界して以来、活動が滞りがちになっていたことから、小川会長の発案で、活性化を兼ねて今回の懇親会で茶会を開いたという。勧誘が実り、このたび5人の新人、竹花晴夫さん、水野穣さん、斎藤伸夫さん、込山洋一さん、西川勝行さんが入会し、15会員に仲間を増やした。  茶会は邸宅内の茶室で開かれ、1席目は亭主を小東京の禅宗寺の小島秀明開教師、半東を坂井貴之さん、2席目は小川さんの妻の小川宗靖社中の大須賀シノイさんが点前をし、シェリー・エリザベスさんが半東をそれぞれ務めた。最後は、坂井さんの点前、小島師が半東でもてなした。  坂井さんは、5年前に小川宗靖師に師事し月2度、稽古をつけてもらっている。建設会社を経営し「建設業は、すべてに(数値などの)ルールがあるため、ストレスを感じることもある」が、茶道は「いったん、畳の部屋に入るとホッとし、好きなお茶も飲めてリラックスできる。携帯電話の連絡など外の現代社会から完全にシャットダウンされ落ち着く空間」と強調する。

点前を行う坂井さん

 社員30人はすべて米国人であることから、茶道は日本人と日本文化にふれる貴重な機会でもあるという。また、小川邸を訪れるさまざまな人生の先輩や知識・文化人から学ぶことも多く「日本の文化、歴史の多くがお茶につながっている」と悟り、茶道の奥深さを学んでいる。  この日の点前は、緊張したというが半東の小島師の心の支えが大きかったとし「うまくいってよかった」と、安堵の表情を浮かべた。茶道の作法について「一つ間違えると、すべてがうまくいかず、パーフェクトでなければならない」ことを心得ており、「パーフェクトさを維持するには、稽古を続けるしかない」と、精進を誓った。  この日のケータリングは、トーレンスですし職人の養成学校を経営するアンディ松田さんが生徒3人を連れて行い、すしや刺身、天ぷら、串カツ、日本酒など和食を中心にサーブした。生徒は務めを終えてから茶席に招かれ一碗を堪能し、サーブの仕方や礼儀作法を学んだ。松田さんは、日本の食文化を伝える役割を担う生徒の茶道体験について「もてなす心を学び、とてもいい経験になったと思う」と述べた。松田さんは今日会の会員でもあり「お茶には、書道、華道、お礼、尊敬、感謝など、日本文化の要素がすべて入っている」とし、「庭の掃除から、サーブし、いただくまでのストーリーに加え、道具の歴史、和を重んじる心、片付けの心など奥深い」と力説した。

ゲスト(左側)に薄茶を差し出す、今日会メンバーで小川社中の込山ひろみさん

 小川会長は、茶会を振り返り「今日の懇親会は私の不動産業リタイアの個人的な会だったが、みなさんに参加してもらい、今日会のメンバーが小川社中と連携よく接客できてよかった」と喜んだ。5人の入会を歓迎しながら、今後については「メンバーをもっと増やして、今日のような茶会を開いて、活発にしたい」と抱負を述べた。  正客として各茶席を見守った今日会顧問の小泉宗由さんは、今日会の活動について「われわれが行う茶道の普及のために、みなさんに支えてもらい恐縮している。主人(カリフォルニア今日会創設者の巌さん)も喜んでいることでしょう」と述べ、10月に自宅で催す、月見の茶会に招待する意志を示した。【永田潤、写真も】

懇親会に協力した裏千家カリフォルニア今日会のメンバー。前列左端2人目から小川勝義さん、小泉宗由顧問、小川宗靖師


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