敬老問題:連邦下議の書状内容全文
4日午後、民主党の連邦下院議員たち16人が、カマラ・ハリス・カリフォルニア州司法長官宛に敬老売却の延期と公聴会開催を依頼する2ページにわたる書状を連名で提出した (5日付け新聞参照)。今回の書状提出はアジア・パシフィック・コーカスのメンバーが中心となり、コーカス理事長のジュディ・チュウ下議、ボイルハイツを選挙区に持つハビエール・べセラ下議、ガーデナを選挙区にもつマキシン・ウォータース下議ら。書状の内容は下記の通り。【中西奈緒、モニエ中地美亜】
<書状の日本語訳>
カリフォルニア州司法長官カマラ・ハリス様
敬老で暮らす600人以上の高齢者を代表して、貴事務所が敬老の所有する資産をパシフィカ社に売却することを延期し、売却手続きが進む前に、公聴会を開催してくださることを要請いたします。 「敬老」はこのロサンゼルス大都市圏で50年以上にわたり、日系社会において幅広いケアと長期看護サービスを提供してきました。現在、敬老には4つの施設がありロサンゼルス郡内から集まった600人を超える高齢者たちが生活をしています。 敬老売却のプロセスは不透明で、ここに暮らす高齢者やその関係者たちに十分な説明がなされませんでした。敬老は公聴会を開催するという選択肢を取らずそれを放棄し、州司法当局が受け付けた意見公募期間が終わるまで、最終的な売買の条件などの詳細は公表されませんでした。その結果、居住者、その家族、寄付者たちが、この売却による影響についてしっかりと考える機会を失うこととなりました。 敬老売却に関する個々の条件や詳細は、日系社会のための長期的な看護の選択肢が危険にさらされていることを示しています。特に、売却の条件には、1年以降は家賃の値上がりから居住者たちが守られていません。さらに、5年後には今の所に住み続けられる保証もありません。 今の居住者たちへの配慮が極度に欠けている状況で、その結果、家賃が過度に値上がりしたり、医療費が値上がりしたり、選択できる医療ケアが少なくなる可能性もあります。居住者たちは、老後の終の住み家として敬老を選びました。出て行かなくてはならない可能性があることは、彼らにとって限りなく心配なことです。 州司法長官の役割は、非営利団体の売却に関して、その売却のもたらす結果がそのコミュニティーにとって最大の利益になることを保証することです。敬老がパシフィカ社に売却されることを公聴会が開催されるまで延期して、売却を許可する前に、その公聴会の結果を考慮にいれてください。この過程を経ることで将来の福祉問題を保護するばかりではなく、敬老施設の居住者たちの安全や、その他一般の人たちの利益を守ることにもつながります。 敬老看護ホームの居住者は、主に日系アメリカ人です。その多くが第二次世界大戦の時に僻地の収容所に送られ、その時に全ての財産も失いました。スパイ容疑をかけられたのです。しかし、戦後70年が経っても、たった1件のスパイ行為も証明されていません。こんな滑稽な正義が演じられた過去を振り返っても、こうした悲しい体験を背負わされた高齢者たちには特別な配慮が必要です。あなたはそれを可能にする権限をもつ唯一の立場にいます。私たちは、こういった日系アメリカ人の高齢者たちが、人生の終わりの月日を安心して快適に過ごせるように保証してくださることを切に願っております。
この件につき考慮いただきありがとうございます。 (以下に、署名者とサイン) ジュディ・チュウ PhD、ハビエール・べセラ、マキシン・ウォータース、 ピート・アギュラー、カレン・バス、ジャニス・ハーン、マイケル・ホンダ、デッド・リュウ、アラン・ローレンサル、ドリス・マツイ、グレイス・ナポリターノ、ルシル・ロイバル・オラード、マーク・タカノ、ブラッド・シャーマン、ノーマ・トレス、トニー・ガーデナス
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