敬老売却問題:契約完了を正式発表
A building on Keiro’s Boyle Heights campus, which includes Keiro Retirement Home and Keiro Intermediate Care Facility. They were officially sold to Pacifica LLC (NAO NAKANISHI/Rafu Shimpo)
「敬老シニアヘルスケア」(敬老)は8日、敬老4施設の売却が完了したことを書面で公式に発表した。4施設はパシフィカ社が所有し、施設の運営と管理をアスペン社とノーススター社に委託。すでにオペレーションが始まっている。【中西奈緒、モニエ中地美亜】
敬老ボードメンバーのゲリー川口理事長は「敬老施設の売却が計画通りに完了し、とても嬉しく思います」とし、「この売却に関して対立する意見があることは理解していますが、高齢者たちをケアしていくという歴史を継承し、発展させていくために、コミュニティーとともに協力していくことを楽しみにしています」と書面で述べた。
また、「この施設の売却が、日系および日本人の高齢者にとって最もよい選択であると信じています。そして、新しいオーナーと協力しながら、居住者、家族、そしてボランティアの人たちに高く評価される多くの文化・教育プログラムをこれからも提供していくことを約束します」とした。
「敬老シニアヘルスケア」は4施設を売却した後も、引き続き非営利団体として残り、日系高齢者の生活の質の向上を図るためのクラスやプログラムを中心に運営していく方針。パシフィカ社と施設を運営・管理するアスペン社とノーススター社と協力し、これからも日系社会の高齢者のために貢献していくことを望んでいるとしている。
また、一方で敬老は「コミュニティー諮問委員会」(CAB=コミュニティー・アドバイザリー・ボード)を設立した。この委員会は、売却の条件の一つとして州司法長官によって定められたもので、「5年の条件付き期間」にパシフィカ社、アスペン社とノーススター社の運営をサポートし、コミュニティーとの懸け橋的な役目を果たす。
このメンバーは日本語もしくは英語を話す居住者、家族、そして、一般のコミュニティーからの総勢10人のメンバーで構成されて、そのうちの3人分は「敬老を守る会」のメンバーに割り当てられている。
参加したメンバーの話によると、第1回目のミーティングは2月2日に開かれ、9人が出席したが、「守る会」からは2人のみの出席だったという。具体的なメンバー構成、ミーティングの内容、今後の方向性などはまだ公表されていない。
また、4施設の新名称は、2つの看護ホームが「Kei-Ai Los Angeles HealthCare Center」「Kei-Ai South Bay HealthCare Center」に変更。中間看護ホーム、引退者ホームの新しい名前は発表されていない。
ゲリー川口理事長は「コミュニティーのメンバーたちが、どのように高齢者たちをケアしていくかという問題にこれからも積極的に関わってほしいと思います。私たちのコミュニティーが『敬老』の持つ意味について、これほど関心を抱くようになり嬉しく思います。こういった議論が今後の計画や行動を生み出し、日系社会の高齢者たちのニーズにどのように応えるかに良い影響をもたらすことになると期待しています」と書面を結んでいる。
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