日系社会で今季最初の盆踊り:踊りや茶道、和食など日系文化満喫
色とりどりの法被や浴衣、コスチュームに身を包み、音頭の曲に合わせて楽しく踊る参加者
日系社会の今季最初の盆祭りが22、23の両日、サンバレーにあるバレー・ジャパニーズ・コミュニティー・センター(クリスティーン・イノウエ、リサ・ハシモト・エラード両センター長)で開催された。初日はおよそ250人が会場を訪れ、日本や日系の文化に親しみ地域社会との親睦を深めた。
音頭を終え、鮮やかな模様の和装と法被姿で写真に納まる女性グループ
今年就任したイノウエさんとハシモトさんは、VJCC初の女性センター長。イノウエさんによると、所属団体が20ほどのブースを担当。それぞれが日系にちなんだ食べ物や文化の紹介、子ども向けのゲーム、手芸作品や野菜の販売などを実施した。
あいさつするイノウエ・センター長
バレエ講師、神奈川由喜枝さんのクラスのブースでは、小・中学生の女子がピンクのバナーの下でみたらしだんごとボバドリンク、レモネードを売る声が響いた。みたらしだんご3本の注文を受けた大久保美博さん(13)は、手にしたメモパッドの「だんご」の横に「正」の字を書き込んでいく。米国方式のターリーマークではなく「正」の字で書くところが日本人らしい。一つ下の妹の千博さんがバレエを習っているので、日本へ帰省しない年はいつも手伝うことにしている。父のアルフレッドさんは「ここ(VJCC)のお盆は6月のこの時期でまだ暑くなく、夕方から始まるので過ごしやすい。規模も大きすぎず、見て回るのもちょうど良い」と好意的な見方を示した。
】コインをねらって輪投げをする参加者
バレー学園(日本語学園共同システム)が使用する教室の一つでは、茶道のお点前が6回に分けて行われた。午後8時からの最終回では、お茶を点てる日本人男性講師の正面の椅子に6人ほどが横一列に座った。着物姿の女性が講師からお茶を受け取り左端の男性に手渡すと、男性は少しためらって英語で何かたずねた。講師は「お椀を回して、絵の部分を避けて飲んでください。そのお椀には絵柄がありませんから、ご自由にどうぞ」と指南。室内には講師の手作りという茶碗も展示された。
かき氷の列に並ぶ大人と接客するバレー柔道部の子どもたち
櫓の周りでは盆踊りが繰り返された。浴衣に身を包んだ女性や、エルビス・プレスリーのコスチュームで参加した男性グループなど、大人も子どももなじみの曲で盛り上がった。進行のアナウンスを務めたイノウエ・センター長は「盆踊りの後半は、ラテンやヒットチャートの曲を流して、振りは「炭坑節」など知っているもので踊ってもらう。みなさん楽しんでいるし、とても盛り上がる」。ノリの良いラテンのテンポと炭坑節の振り付けが意外によく合う。 午後9時を過ぎ、イノウエ・センター長は明日も引き続きお盆が開かれることをマイクで告げ、来場者に帰路の安全を伝えた。来場者数について同センター長は「見たところ100人ほどが踊っていた。お祭全体では200人から250人くらいではないか」と述べ賑わいを喜んだ。 来場者は主催者側が準備したシャトルに乗り込んだり歩いたりして各々の車へと向かった。ブースの片付けや会場の掃除が進む中、子どもたちはケールやネギなどの野菜がいっぱいに入ったプラスチックバッグを抱え、買ってくれそうな大人を探して走っていた。 【麻生美重】
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