最近の若い者は
この題名から読者は年配が若者へ叱咤や批判をガンガン書くなとお思いでしょうが、前半は言葉の考察、後半に期待に応えて少々という運びです。日頃思うこの言葉を考えてみました。 まず最近の若いモンはと書くとより感じが出る。意気盛んな年寄りは「近頃の若い奴らは」と言うとより気分が高揚する。これを枕詞として「なっちょらん」に続くのが通例。さらに「俺の若い頃はな」と自慢に移るのがほぼ定型だ。 いつの世も熟年や老人がこれを言って憤慨しつつ一種のカタルシスを得ているが、これは古来から例が見られ、平安時代以来の文書にこの文脈が見られる。平安どころか紀元前古代ギリシャの大哲学者プラトンの書にこの趣旨がある。最近の若者は人の言うことを聞かんと論じている。それどころか今から5千年も前の古代エジプトのピラミッド遺跡の壁画に、最近の若い者はの表現の象形文字が見つかっているそうな。余談ながらそこに誰それは二日酔いで建設作業を休んだとか出勤記録もあるそうで、当時から二日酔いもあったのですな。この先は自由推論ですが人類が言葉も持たなかった太古の昔も年寄りは「若い奴らは」の感じで原始生活を営んでいたのでは。 最近の若いモンは、とは若者はあまり言わない。言うのは年寄りの特徴。故にこれを言わないのは年寄りの資格が無い。最近の年寄りは物を言わない遠慮型が多い。そこで軽く少々。最近の若いモンは、とに角ものを知らない、マンガやゲームばかりで本を読まない、日本語も劣化、字も知らない、妙な新語を作って喜び美しい日本語を滅ぼす。敬語も使えない。犯罪者まで方と呼ぶ、国内外の政治を知らない、等々キリが無いのでここまで。 しかしうるさい熟年や年寄りも昔は若者だったから当時の年寄りに同じように嘆かれていたろう。申し訳ナイ。こういう訳で順送りである。年寄りと若者は時代環境が違う、文化、文明、流行、価値観、社会、何でも違うので合わないのが当然。だが遺伝子的には共通。ではひとつ若者には期待し励まそう。結び:若者よ頑張れ、年寄りが楽になる。【半田俊夫】
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